歴史の島へ#1

ANA52便(札幌千歳→東京羽田)搭乗記

2021/5/1

今、旅をする理由。

それは旅がしたいから。世の中には自分を律してしっかりと生きている人もいるのだろう。それでも、一人で過ごす自分には「旅」という癒しがなければ、生きていく元気がなくなる。今、こんな時だからこそ、余計にそれを感じる。

一方で、そうはいっても、世間体とか社会性とかそういった軸から完全に振り切る勇気も、振り切って生き抜く自信もない。だからこそ、この旅自体も本当は5月下旬に出かける予定であったのを、このGWに直前で振り替えたのだ。そう、知人や同僚だったりが連休に出かけているそういったのを見たうえで。

結果的に言えば、この判断でよかったと思っている。何より、その後も頑張って仕事に臨めているから。


連休の千歳へ

言い訳はさておき、旅の記録を書くとしよう。先ほど書いたように、この旅は当初「5月22日(土)~5月24日(月)」にかけて行く予定だったのだが、そういった事情ともう一つ「GWに行こうと思っていた函館旅行を繰上げした」という理由から、急きょこの日程になった。そういうわけで、前日の夜は、仕事から帰ってきてから、予約やらパッキングやらで忙しく、完全なる準備不足だった。朝寝坊しないか不安で仕方がなかったが、旅への高揚感からか、すっと起きれた。仕事に行くときも同じように起きれたら、どんだけ素晴らしいのだろうか。

眠気眼で札幌駅へと向かい、快速「エアポート」に乗る。指定席券売機でuシート指定席を購入すると、さすがに連休というだけあって、割と席は埋まっているよう。とは言え窓側席も空いていたので窓側席を購入して、ホームへ向かう。新千歳空港行きの列車ということもあり、車内は旅行中・帰省中あるいは仕事で移動している人ばかりだ。妙な安心感がある。

乗車してから気が付いたのだが、今回初めて特別快速「エアポート」に乗車した。2020年(令和2年)のダイヤ改正で登場した新種別で、札幌を出ると、途中停車駅は、新札幌、南千歳のみで、新千歳空港まで33分で到着する。通常の快速「エアポート」よりも5・6分早いので大変便利なのだが、本数が一日2往復のみなので、今まで乗車したことがなかったのだ。

新千歳空港に到着

旅人を載せた列車は定刻通り新千歳空港駅に到着。多くの人がホームへ降り立つ姿を見ると安心感を感じるのは自分だけなのだろうか。何はともあれ、改札階に上がり、そして、改札を出て左側のエスカレーターに乗る。朝方ということもあって、ギリギリな人も多いからか急いでいそうな人もいる。朝便は寝坊が怖いのは自分に限ったことではないのだろう。

2階に到着したので、自動チェックイン機でチェックインをしようとしたのだが、札幌→羽田→長崎→壱岐の3区間まとめてのチェックインは自動チェックイン機では受け付けてくれぬようなので、チェックインカウンターへ向かう。2年前に、札幌→羽田→福岡→五島福江と乗り継いだ時もそうだっただろうか。兎にも角にも、チェックインカウンターの方が親切に応対をして頂いたので、無事にチェックインと荷物の預入を終えられた。

関西・成田便など一部は欠航しているものの、この日は大部分が運航されていた

チェックインを済ませた後、保安検査を受ける。もはやサーモグラフィーは当たり前のようにそこに鎮座しているが、いつ測っても体温が低すぎるので本当に不安になる。保安検査場はガラガラで待ち時間もほとんどなく通過できた。需要が減っていることを実感する瞬間である。札幌に住む友人などでも、イベントの中止などを受けて東京や大阪方面への旅行を道内に切り替えていたりする人は多くいたので、札幌発の割合が殆どな連休序盤の朝方は特に減少しているのだろう。

制限エリア内に入ったところで朝ごはんを食べる。ただ、7時台は元々やっているお店がほとんどないので、「ANA FESTA」でサンドイッチを購入して食べることにした。これは確か元々そうだったはず。

ANA FESTAで購入したメンチカツサンド

購入した「メンチカツサンド」は想像通りの味。最近では「本格派メンチカツ」のサンドイッチも多いので、この昔ながらの味というのはあまり洗練されていない感もあるのだが、これはこれで好きなのである。特にこういう場面の朝に食べると、何か旅に出るぞっていう気分がわく。


新千歳10番ゲート発東京羽田行き

メンチカツサンドを食べてのんびりしていると「ANAアプリ」から「ご搭乗案内開始のお知らせ」なる通知が届いた。いつの間にこんなサービスを開始していたのかと感心したりする。今回は後方窓側席でGroup1での搭乗なので、急いでゲートに戻る。

保安検査通過直後に撮影した出発案内

ゲートに到着すると、搭乗開始が8時5分頃とだいぶ早かったこともありゲート前は特段の混雑もしていない様子だった。改札機に搭乗券をかざして機内へ乗り込む。元気な家族連れなどもいて大変いい雰囲気に包まれていた。コロナ禍だなんて忘れてしまいそうだ。

本日の機材は「B787-8」の国内線用機材であった。最近は「78M」と呼ばれる国際線用機材のことが多かったので、なんだか久しぶりな気がする。座席は「35K」ということで後方も後方に予約をした。というのも前方は混雑するし、一方で急いでいく予定もないからだ。

テイクオフ

ドアクローズは定刻より早い8時26分。幸先のいいスタートなようだ。混雑状況は前方~中ほどにかけては7割程度の搭乗率のようだが、後方ブロックはガラガラだった。後方席を選んで正解だった。プレミアムクラスは確か満席だったような記憶があるけれども、間違っているかもしれない。

前回、新千歳から羽田に飛ぼうとした時は、ドアクローズ後に機材トラブルで欠航になったが、もちろん2回続けてトラブルに巻き込まれるようなことはなく、間もなくして離陸準備に入り、無事に新千歳空港を離陸。余談だが、トラブルはないに越したことはないというのは大前提だけれども、どうしたって起こりうる。トラブル時の対応が概ね良いのは好印象だった。

さて、新千歳を離陸した飛行機は、大きく旋回をして太平洋上へと向かう。この日の千歳は曇天だが、目的地の天候は如何だろうか。予報としては問題ないのだが、着くまではちょっと不安だ。

北の大地から飛び立った飛行機

離陸後はすぐに仮眠に入る。朝早かったこともあって眠気があったので気持ちよく寝れた。機内サービスの頃合いで目が覚めたので、目覚めのスープを頂く。定番コンソメスープは朝の身体にぴったりだ。目が覚めたので「壱岐」のガイドブックを読みつつ、これからの予定を考える。

ボケっとそんなことをしていると物凄い音がしたので、窓の外を見ると、ちょうど別の飛行機が空を駆け抜けていったようだった。飛行機雲の残像だけが残っていたが、どんな飛行機と交差したのか、交差した瞬間に見てみたかったものだ。

交差した飛行機

羽田空港に定刻通りの到着

ガイドブックを読んでいてもどうも頭に入らないというかまだ眠気が残っているようだったので、この後読むことにしようと決めてもう一度睡眠タイムに入る。飛行機の中は意外とよく寝れる。いや、新幹線でも特急列車でもどこでもすぐ寝れてしまう人間だった。

目覚めて気が付けば着陸態勢に入っていた。いつものように千葉県側へと迂回して、東京羽田空港へアプローチをしている。アクアラインと並走しつつ眺める景色も「見慣れた景色」になりつつある。都心上空ルートでのアプローチとやらも乗って見たいのだが未だ一度も乗れた試しがない。

そうして無事に東京羽田空港へ到着。ゲート到着は定刻通りだった。乗継まで時間もあるので急がずのんびりと降機する。この日は観光客や家族連れが多いこともあって、降機速度はゆっくり目だ。降機した後は今回乗ってきた機材の写真を撮って、乗り継ぎ改札口へと向かうこととします。

今回搭乗した機材。

次回予告: 羽田から長崎へ。ANA663便搭乗記


旅行記「歴史の島へ」