極東紀行#8

本土最東端・根室探索記

Date: 2021/9/19

北方領土


根室市の納沙布岬は日本本土の最東端です。この納沙布岬からはロシアの執政下に置かれている「北方領土」を間近に望むことが出来ます。北方領土は日本固有の領土であり、第二次世界大戦後に旧・ソビエト連邦により占拠され、現在もロシア政府が統治しています。

領土問題として話題にはなるとはいえ、北方領土は東京や札幌からはやはり「遠い」場所の話で、それは政治の話。しかし、根室市をはじめとする隣接地域からは北方領土が間違いなく「近くて遠い島」であることを旅人にも伝えてくれます。

前回記事の振り返り
尾岱沼での観光船の後は別海町内の観光スポットを巡り、根室市へと向かいました。
納沙布へ続く道

奥行地区での観光を終えて、国道243号線で厚床へ。厚床からは国道44号線で根室市へと向かいます。国道44号線は改良工事の行われている区間が多く、とても快適に走行が出来ます。特に根室市街地の直前については自動車専用道路の根室道路として整備されています。

さて、最東端である納沙布岬は根室半島の先端に位置するため、根室市中心部からは北側・南側の両方の道があります。Googleマップによると根室道路を出た後、中心部を避けて北側で通るルートが最短のようですが、道路上の看板に従うと南側を辿っていたため、南側のルートで向かいました。

さんま丼

納沙布岬に到着して最初に向かったのはランチを予定している「鈴木食堂」さんです。到着したのが13時半頃でまだやっているのか不安でしたが何とかまだやっていました。

鈴木食堂

ご存知の方も多いとは思いますが、こちらは「さんま丼」が有名。

入店した後、レジで注文をして、番号札を貰う仕組みになっていまるので、レジで「さんま丼」を注文して、到着を待ちます。比較的配膳に時間がかかるとの口コミも多いですが、お昼の時間を過ぎていることもあってか、そう時間はかからずに配膳されました。なお、花咲カニの「鉄砲汁」付きが良かったのですが、鉄砲汁は売り切れでした。

さんま丼

近年は不漁の「さんま」ですが、この時期は旬ということもあって「生さんま」を使った「さんま丼」がいただけます。これはもちろん最高に美味しいです。

鈴木食堂

住所

〒087-0165 北海道根室市納沙布 岬

営業時間

9:00~売り切れまで


今回は売り切れだった「鉄砲汁」付きのメニュー「ほたて丼」を過去に頼んでいただいているので、こちらでご紹介しておきます。

鉄砲汁付きのさんま丼
ほたて丼
納沙布岬灯台

食後は「納沙布岬灯台」へと向かいます。灯台のある場所が最東端になります。東経145°49′、北緯43°22′で、一般人が訪問できる日本最東端の場所です。

納沙布岬灯台

日本最東端

一般の日本人が到達できる最東端は「納沙布岬(北緯43度23分6.2秒 東経145度48分58.6秒)」ですが、日本最東端は東京都小笠原村にある南鳥島・坂本崎(北緯24度16分59秒 東経153度59分12秒)です。

納沙布岬灯台からはすぐ間近に「歯舞諸島」を望むことが出来ます。例えば、稚内から利尻や礼文、羽幌から天売や焼尻、などよりも圧倒的に近い距離にあることが分かります。

北方領土・歯舞諸島
望郷の里公園

灯台を見た後は納沙布岬周辺の「望郷の里公園」へと向かいます。まずは「納沙布岬」の標柱と灯台を合わせて写真を撮ってみます。

納沙布岬の標柱と灯台

「望郷の里公園」を代表するモノがこの「四島(しま)のかけはし」というアーチ状の像。世界平和と北方領土の早期返還を求める像です。像の下には「祈りの灯」と呼ばれる点火台があり、常時火がともされています。

訪問した時は「奪還」と落書きがなされているのは残念ですが、これもまたよそ者目線で言えば国境・領土問題とナショナリズム、そういった色々な問題を想起させます。

四島のかけはし

公園周辺には「北方館」という北方領土・千島列島について学べる施設や、展望台である「オーロラタワー」などがありますが、新型感染症の影響により休業していました。

納沙布岬を出発して、帰りは根室市街まで北側の道を進みます。北側の道沿いには「北方原生花園」という施設があります。こちらではポニーがのんびりと放牧されていました。なお、季節によってはアヤメやエゾカンゾウなどが咲き誇るようです。

明治公園

根室市内の観光地は「明治公園」という市民の憩いの場。ここには、北海道における近代農業・食品加工業などの発展の歩みを物語る近代化産業遺産群に指定されている「サイロ」が3棟あります。

観光名所というだけでなく、根室市中心部にも近く、市民にも愛されている「明治公園」。この日もサイロのある広場で多くの中高生たちがサッカーの練習をしていました。

明治公園

明治公園

明治公園でゆっくりと過ごした後は本日予約してある根室市内の宿へと向かいます。本日は根室市内にある「ねむろ海陽亭」という大浴場付きの宿を予約してあるので、チェックイン。夜は根室の街で飲もうと思っていたのですが、目当てにしていたお店がお休みだったので、夕食は飲まずに「エスカロップ」を頂くことにしました。

エスカロップ

夕食は根室市中心部にある「どりあん」という喫茶店に向かいました。こちらで頂くつもりなのは「エスカロップ」という根室市のご当地グルメです。

どりあん

エスカロップ

根室市のご当地グルメである「エスカロップ」はバターライスまたはケチャップライスに豚肉をソテーしたポークカツレツを乗せてデミグラスソースを掛けた料理のこと。

注文してからはすぐに「エスカロップ」がやってきました。通常の「エスカロップ」とは別に「エスカロップスペシャル」というメニューもあるのですが、スペシャルの方は大きいサイズのようで、こちらは喫茶店ということもあって、食べやすいサイズでした。

お味は料理からして美味しくないわけがないメニューですので、美味しく頂きました。

エスカロップ

どりあん

住所

〒087-0041 北海道根室市常盤町2丁目9

営業時間

10:00~21:00(火曜定休)

次回予告
根室市中心部にある「大浴場」もあるホテルに宿泊。ホテルの部屋と大浴場などをご紹介!

旅行記「極東紀行」