那覇市内観光(5)~識名宮と識名園~
2023/1/5
識名宮への上り坂
食後は、琉球八社巡りを再開し、「識名宮」へと向かいます。
ランチをした「首里殿内」から「識名宮」まではわずか550mほどの距離であっという間と言いたいところですが、識名坂という登り坂を越えていく必要があります。
ちなみに、この識名坂はかつて首里から沖縄本島南部へと向かう幹線道路の一部で、松並木の石畳道であったそうです。また、沖縄に古くから伝わる怪談「識名坂の遺念火」としても有名な場所です。
識名坂の遺念火
識名から首里の街に美しい女性が豆腐を売りに来ていました。だれかがその女性の夫にいたずらで、「その女性が人にさらわれた(浮気した)」と嘘をつきました。そのショックで、夫は識名川に身を投じて自殺しました。その後、驚いた妻も自殺しました。それ以来、夕暮れ時の識名坂には、二人の遺念火が出るようになったと言われています。
識名坂を登った後は平坦な道が続きます。また、この辺りの地名は「繁多川」と言うのですが、その由来となった「ハンタガー」という湧き水スポットがあります。
さらに進むと石垣が現れました。この石垣は戦前から残るもので、琉球石灰岩を加工したもので、上が丸みを帯びているのが泡盛酒造所ならではの石積みとなっているのが特徴だそうです。
識名宮
間もなくして「識名宮」に到着しました。街のなかにとけこんでいる雰囲気がとても良い感じです。
敷地内は広くなくこじんまりとしています。社殿は第二次世界大戦中の沖縄戦で破壊され、戦後に再建されたそうです。現在の社殿は新しく2013年に建て替えられたものです。
識名園
参拝を済ませた後は「識名園」へと向かいます。識名園は、国王一家の保養や外国使臣の接待などに利用された琉球王家最大の別邸であり、世界遺産にも指定されています。
入園料を支払って、園内を散策します。しばらくはうっそうとした木々のなかを歩くのですが、しばらくすると視界が開けてきます。なかでも目立つ建物が赤瓦の「御殿」。
この御殿は160坪ほどの面積を誇り、15もの部屋がある園内随一の建物です。琉球王国時代には外国使臣のもてなしの場にも使われていたそうです。建物内は広々とした開放感のある造りになっていて、こんなところでゆっくりできたら最高だろうなと感じさせる建物になっていました。
御殿の前には立派な池もあります。この池は、心の文字を崩した形になっていて、「心字池」と名付けられています。水鏡
順路に沿って、心字池を周った後、うっそうとした森の中を抜けると今度は開けた展望台に到着しました。この展望台は「観耕台」といい、那覇市や南風原町など周辺の街を一望出来ます。ここから青い海はみえないのですが、琉球の国土の広さをアピールするのが目的の展望台と聞いて、合点がいきました。
識名園をたっぷり観光した後は歩いて那覇市中心部へと戻ることにします。
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