晩夏のオホーツク紀行#2

訓子府町・置戸町旅行記

Date: 2021/8/28

残す未踏市町村はあと僅か。

2021/8/28
北見駅に到着。

北見駅からレンタカー営業所までは歩いて5分ほどです。綺麗に整備された駅前ロータリーを後にして、バスターミナル(こちらも一体して整備されたのかとても綺麗)、百貨店、北見市役所を横目に歩いて進みます。

レンタカー営業所の向かいのローソンで飲み物などを購入して、予約している「タイムズカー北見駅前店」へと到着しました。

タイムズカー北見駅前店
2021/8/28 11:45
「タイムズカー北見駅前店」に到着。

早速チェックインの手続きをしようと思いましたが、12時からの予約をしていたため、少々待つことに。そして、車を受け取り、出発でございます。

今回は、北海道内の未踏市町村である訓子府町と置戸町へ向かいます。ちなみに、北海道に転勤してくる前からではありますが、北海道の未踏市町村は(この時点で)紋別市・滝上町・湧別町・訓子府町・置戸町・厚岸町・浜中町・上砂川町・歌志内市・寿都町・島牧村・せたな町・今金町・黒松内町・乙部町となっています。

訓子府町

訓子府町

ここで訓子府町についてご紹介します。

地理

訓子府町はオホーツク管内南部に位置する自治体で、北見市・置戸町・津別町や十勝管内足寄町と接している人口約5千人の自治体です。

産業

農業・酪農が盛んで、「訓子府メロン」をブランドメロンとして生産しています。また、街の食堂で頂ける玉子で綴じずに醤油ベースのタレを掛ける「訓子府カツ丼」も有名です。

アクセス
自動車利用の場合

北見市からは30分弱でアクセスすることができます。また、町内には道東から繋がる予定の「十勝オホーツク自動車道」が通っています。

公共交通利用の場合

かつては十勝地方と北見を結んでいた鉄道路線がありましたが現在は廃止されており、代替バスである北海道北見バスの路線バスを利用することになります。路線バスは北見~訓子府間では平日21往復・土休日14.5往復設定されています。

(※)2021年9月現在

2021/8/28 12:15
訓子府町中心部にある「福よし」へ到着。

旅の初めではありますが、もうお昼の時間ですのでお昼ご飯を頂くことにします。今回訪れたお店は訓子府町の中心部にある「福よし」というお店。前述した「訓子府カツ丼」がいただけるお店となっています。お店横にある駐車場に車をとめて、入店します。

お食事処福よし

中に入ると、カウンター・テーブル・小上がり席があるよう。

ちょうどカウンター席が一席空いていたのでこちらに座り、メニューを眺めます。カツ丼は「訓子府カツ丼」のほかに、玉子で綴じた「とじ風カツ丼」というのもあるようです。今回は「カツ丼(訓子府タレかつ丼)」を注文することにしました。

メニュー

10分ほどで頼んだかつ丼がやってきました。サクっと揚げられたカツにタレがしっかりと掛かった一品。タレは醤油ベースで、割としょっぱめで、これがまたご飯が進みます。これは美味しいです。

カツ丼(訓子府タレカツ丼)

福よし

住所

〒099-1437 北海道常呂郡訓子府町元町37

営業時間

11:00~14:00 17:00~21:00(日曜定休)

2021/8/28 12:40
食事を終えて、出発。
2021/8/28 12:50
レクリエーション公園の展望台に到着。

食後は訓子府町を一望できる「レクリエーション公園」へと向かいました。レクリエーション公園は手前側の平地に野球場や遊び場などまさに「レクリエーション」が出来るようになっていて、丘の上に展望台が設けられています。

展望台付近は誰もおらずとても静かでしたが、見渡すなかには元気に遊ぶ子どもたちの姿も見え、何となく居心地の良い場所に思えました。

レクリエーション公園からの眺め

訓子府町レクリエーション公園

住所

〒099-1413 北海道常呂郡訓子府町協成

2021/8/28 12:55
レクリエーション公園を出発。
2021/8/28 13:05
旧・訓子府駅に到着。

レクリエーション公園の展望台の案内図には「訓子府駅」の記載がありました。訓子府駅は前述している十勝池田と北見を結んでいた鉄道路線「ふるさと銀河線」の駅が置かれていた場所で現在は駅周辺はバスターミナルと公園になっているようです。町内で他に訪れようと思っていた場所もないため、今回は「訓子府駅」にも立ち寄ることにしました。

訓子府駅

訓子府駅は鉄道があった時代の駅舎が現在もターミナル等として利用されているため、当時の面影を強く残していました。駅舎自体もそうなのですが、ホームの側も恐らくここから列車が発着したんだろうなあという雰囲気が強く残っていました。

ホーム側

訓子府駅跡

住所

〒099-1437 北海道常呂郡訓子府町元町92

2021/8/28 13:10
訓子府駅を出発。

置戸町

訓子府町を旅立ち、西隣の「置戸町」へと向かいます。こちらも未踏の市町村の一つです。

置戸町

地理

置戸町は訓子府町の西隣に位置するオホーツク振興局管内南西部の自治体です。北見市、訓子府町のほか、十勝管内の陸別町や足寄町と道路がつながっています。また、上士幌町とも接しており、大雪山系に近い町となっています。

産業

置戸町は農業と林業が盛んで、地元産の木材を使った「オケクラフト」という工芸品が有名です。

アクセス
自動車利用の場合

北見市からは約40分でアクセスすることができます。十勝とオホーツクを結ぶ国道242号線は置戸町を通過していますが、「十勝オホーツク道」は町内を通過せずショートカットしているため、全線開通しても陸別町または訓子府町から下道を利用する必要があります。

公共交通利用の場合

訓子府町と同様にかつては十勝池田と北見を結ぶ鉄道路線が町内を通過していましたが現在は廃止されており、北海道北見バスによる代替バスを利用することになります。路線バスは北見~置戸間は平日17.5往復・土休日12.5往復設定されています。

(※)2021年9月現在

今回、この置戸町では温泉に入浴しようと思っていますが、道路標識に左折「置戸神社」という表記があったので、少し立ち寄ってみることにしました。

置戸神社
2021/8/28 13:25
置戸神社を出発
2021/8/28 13:30
旧・置戸駅に到着。

続いては置戸町の中心部にある置戸駅に立ち寄りました。ここで、訓子府駅や置戸駅を通過していた鉄道である「北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線(旧・JR池北線)」についても紹介をしておきます。

北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線

道央圏と北見地方を結ぶ最初の鉄道路線

池北線の歴史は古く、1910年(明治43年)に池田方面より開通し、1911年(明治44年)9月に池田~北見間が開通。更に延伸が進み、翌1912年(大正元年)には網走駅まで延伸され、網走本線として、道央圏とオホーツク地方を結ぶ最初の鉄道路線として活躍しました。

その後、道央圏とオホーツク地方を結ぶ路線としては1921年(大正10年)に名寄・紋別を経由する名寄線が開通、さらに1932年(昭和7年)に上川・遠軽を経由する石北線が開通。道央圏とオホーツク地方を結ぶメインルートは石北線に移り変わりました。

余談ですが現在建設が進んでいる高速道路(道東道・十勝オホーツク道)は池北線ルートを辿っており、札幌~十勝・池田間も鉄道と並走しているため、池北線が最短ルートでもおかしくないような気がするものの、当時は千歳~新得間が開通しておらず、札幌からは岩見沢・滝川・富良野を経由するルートであったため、だいぶ遠回りだったようです。

池北線として整理

メインルートを石北線に奪われた後も網走本線として営業を続けていましたが、戦後の1961年(昭和36年)に路線名称の整理が行われ、池田~北見間は「池北線」として分離されました。

それでも、沿線の森林資源を輸送する手段として、冬季には流氷で港が使用できないオホーツク海沿岸と太平洋側を結ぶ手段として活躍したほか、沿線住民の貴重な足としても活躍しました。

しかし、利用客数は徐々に減少し、国鉄再建法の制定に伴い、当路線も「特定地方交通線」に認定。なお、当路線のほか、名寄本線・標津線・天北線は「長大4線」として一定の配慮がなされ、指定されたのは1985年(昭和60年)のことでした。

第三セクターへの転換

存廃論議の結果、1987年(昭和62年)に国鉄が分割民営化された後の1989年(平成元年)に第三セクター「北海道ちほく高原鉄道」へと経営分離されました。なお、長大4線のなかで第三セクターへの経営分離が行われたのは当路線のみで、他の3線(の沿線自治体)は同時期に廃止という選択をしました。

とはいえ、その後も沿線の少子化・モータリゼーションの進行は続き、経営分離直後に年間100万人あった輸送量は半減。2006年(平成18年)4月に全線廃止されました。

代替バス

廃止後は、帯広・池田~陸別間(十勝エリア)と陸別~北見間(オホーツクエリア)に区分けして代替バスの運行されています。

旧・置戸駅

今は鉄道のこない置戸町ではありますがオホーツク管内で最初に鉄道路線が通じたのがこの置戸であるため、その記念碑が設置されています。

管内最初に鉄道が開通したことを記念する碑

この碑の向かいにも不思議な碑があります。「人間ばん馬」と書かれているので調べてみると、「複数の人間がチームを組んで重量物を載せたそりを曳き順位やタイムを競うもの(引用:Wikipedia)」だそうで、ばんえい競馬がルーツであることから、「人間ばん馬」と名付けられているようです。置戸町では毎年1回大会が行われているため、これはそれを記念した碑となっています。

人間ばん馬

置戸駅

住所

〒099-1131 北海道常呂郡置戸町中央

2021/8/28 13:35
置戸駅跡を出発。
2021/8/28 13:45
おけと勝山温泉ゆぅゆに到着。

置戸駅跡を出て更に西へと向かいます。置戸町の西部は森林が大半を占めており、車窓にも徐々に左右の山が近づいていることを感じながらのドライブです。

おけと勝山温泉ゆぅゆ

こちらは日帰り温泉とコテージを兼ねている施設で、ナトリウム塩化物硫酸塩泉の源泉かけ流し温泉が楽しめるとのこと。まだお昼過ぎですが、こちらで入浴を楽しむことにしました。

綺麗な温泉です。

4年前の2017年にリニューアルされているらしく館内はとても綺麗でした。大浴場はかなり広めです。大して疲れてもいませんが、汗を流してゆっくりとします。

露天風呂もしっかりあります。虫が入らないようにか網が張られているので、山間の地ではありつつも、虫がたくさん入ってくるということはないようになっています。

ゆっくり入浴を済ませた後は温泉の向かいにひまわり畑があったので、ひまわりを少し見てから出発します。

夏の終わり

おけと勝山温泉ゆぅゆ

住所

〒099-1254 北海道常呂郡置戸町常元1−5

営業時間

10:30~22:00(入浴受付終了21:00)

料金

500円(日帰り入浴)

公式サイト

http://www.oketo-yuuyu.com/

次回予告
北見市の観光スポットを巡ります。

旅行記「晩夏のオホーツク紀行」