特急「オホーツク1号」乗車記(札幌→北見)
Date: 2021/8/28
2021年の夏
1年遅れの東京オリンピックを無事に終えることが出来た2021年・日本の夏。オリンピックを延期した去年の夏よりは社会は前に進んでいるのだろうか。一年進んでいるのだから、前に進んでいないはずはないのだが。
この夏も終わりが近づいた今週末はまたしてもオホーツク旅行へと向かいます。
- 2021/8/28 6:40
- 札幌駅に到着。改札を通過して朝ごはんの駅弁を調達。ホームへ上がります。
オホーツク地方への代表的な移動手段としては、JRの特急「オホーツク」・「大雪」号と飛行機(新千歳・丘珠~女満別空港)の2通りがありますが、今回はJRの特急「オホーツク」号を利用します。
特急「オホーツク」は朝夕に1往復ずつが設定されていますが、朝の便は札幌駅を6時56分に出発します。朝は早いですが、この次のJRだとだいぶ遅くなってしまうので、これに乗るしかありません。
「オホーツク」・「大雪」で使用されている車両はJR北海道の特急のなかでは(恐らく)最も古い「キハ183系」という車両が使われていて、見るからに年季が入っています。座席周りはまあ良いとして、やはり古い車両と新しい車両で決定的に異なるのがトイレで、個人的にはやはり新しい車両の方がありがたいと思うところはあります。(出来ることならコンセントも標準装備として頂きたいところですが…)
- 2021/8/28 6:56
- 札幌駅を定刻通りに出発。
列車に乗り込み、定刻通りに札幌駅を出発します。札幌駅からは岩見沢、美唄、砂川、滝川、深川と停車していきます。この日は自由席こそ混雑していたものの、指定席は空いていて、5割に満たない程度の乗車率でした。
札幌から北見までの乗車券・指定席特急券の合計は9,660円と結構しますが、「えきねっと」で予約して「トクだ値」を利用すると片道6,270円で利用できました。
札幌~北見間の交通手段
ここで、参考までに札幌~北見間の公共交通を紹介します。
航空機利用(新千歳空港・丘珠空港~女満別空港)
移動時間を最も節約できるのが航空機の利用。新千歳空港~女満別空港間をANAが3往復、JAL(J-AIRによる運航)が3往復就航しているほか、丘珠空港~女満別空港間をJAL(HACによる運航)が1~2往復(※2)就航しています。早期に予約した場合、ANAのスーパーバリュー75やJALのスーパー先得を利用すると、6,500円前後から利用できます。
(※1)2021年10月31日からの冬ダイヤ現在
(※2)2021年10月31日以降の運航本数。2021年10月30日までは週3往復の運航。
JR特急利用
今回利用したJRルートは、札幌~北見間を約4時間30分かけての移動です。直通する「オホーツク」が2往復、旭川駅で乗り換える「ライラック」&「大雪」が2往復(※4)、同じく旭川駅で乗り換える「ライラック」&快速「きたみ」が1往復の最大5往復分のルートが確保されています。
(※3)2021年9月現在
(※4)運休日があります。
高速バス利用
札幌~北見間では北海道中央バス・北海道北見バス・網走バスが共同運行する高速バスも設定されており、昼行9往復・夜行1往復の計10往復(※6)がダイヤ上設定されています。所要時間は4時間35分~4時間40分程度と鉄道と遜色ありません。片道5,980円・往復11,250円で利用できます。
(※5)2021年9月現在
(※6)2021年9月現在、新型感染症の影響により減便されており、昼行6往復のみの設定です。
- 2021/8/28 7:00
- 車窓を眺めつつ朝ごはんタイム。
さて、朝ごはんを頂くことにします。今回は札幌駅で購入した新作駅弁「三種の神器弁当」を購入しました。
この駅弁は8月から発売開始された札幌駅立売商会(弁菜亭)の新作駅弁です。「幕の内弁当」の定番おかずである玉子焼・蒲鉾・焼き魚(これを三種の神器と称している。ネットで見るとこれを三種の神器としている記事は元からいくらかあるよう)が入っているお弁当です。
幕の内弁当
幕の内弁当と言えば、白いご飯といくつかのおかず(焼き魚やら玉子焼き)が入ったお弁当ですよね。ところで、「幕の内弁当」の由来を、このお弁当の表紙を通して知ったのですが、皆さまはご存知でしょうか。
おにぎりと比較すると手の込んだ「幕の内弁当」という名が登場したのは江戸時代後期、芝居小屋で造られたお弁当が起源だそう。その語源は、(諸説あるようですが)今回購入したお弁当の表紙には「幕と幕の合間にとる食事」説を載せてあります。他にも、「幕の内側で役者が食べる弁当」説などいくつかの説があるようです。
いずれにしても、江戸時代において「幕の内弁当」は芝居文化と近しいところで発展をしてきたことは間違いないようです。そして、明治以降、「幕の内弁当」は駅弁文化と共に広がっていきました。元々の「駅弁」はおにぎりと漬物などのセットであったのに対し、高価ながら「白米とおかず」の「幕の内弁当」が1889年(明治22年)に、姫路でデビュー。全国に広がっていったそうです。
それではお弁当を開けていきましょう。まず驚いたのは具だくさんであるということ。白米がほとんど見えないくらいにおかずが敷き詰められています。焼き魚、玉子焼き、蒲鉾。いずれも大きく、特に焼き魚と玉子焼きの存在感は相当なものです。食べ応えがありすぎて、朝の7時には少し重いかもしれませんが、札幌駅の新・定番駅弁となるのか注目です。
- 2021/8/28 8:35
- 道北の拠点・旭川駅を出発。
北海道第二の都市・旭川市。旭川駅には8時32分に到着。日中の「ライラック」などと比較すると、11分多くかかっているのは古い車両ゆえでしょうか。旭川駅は道北の拠点だけあり、乗客の乗り降りがみられます。指定席車両では半分くらいの乗客が降りて、降りた乗客の半分くらいが乗車してきました。
旭川駅(正確には新旭川駅)からは石北本線に入ります。石北本線は札幌・旭川方面から、北見峠と常紋峠を通り、オホーツク地方の北見・網走方面を結ぶオホーツクの主要ルートの一つです。2つの峠越えがありますが、旭川駅を出発した後、途中の上川駅付近までは上川盆地内を走行するため、車窓には田畑が広がっています。
- 2021/8/28 9:16
- 上川駅を出発。ここから北見峠を越えていきます。
上川地方最後の停車駅である上川駅を出発すると、石北本線は北見峠越えに挑みます。ちなみに、上川駅まで並走してきた国道39号線はここから留辺蘂までの間、南側のルートを通るため、しばしのお別れです。
上川駅の次の駅は白滝駅ですが、この駅間には現在営業している駅はなく、なんと37.3kmも離れています。これは、国内で旅客列車が運行されている駅間としては最も離れているそうです。もっとも開業時から駅がなかったわけではなく、過去にはこの37.3kmの間に5駅もの駅があったそうです。
白滝駅、丸瀬布駅と停車した後、遠軽駅に到着。遠軽駅ではスイッチバックをして、進行方向が反対になって、北見方面へと向かいます。そして、生田原、留辺蘂と停車して、列車はオホーツク地方の中心都市である北見駅へと向かいます。
なお、北見峠を過ぎた頃からは早起きのためか眠くなってきたので、この区間はほとんど熟睡しておりました。
- 2021/8/28 11:27
- 北見駅に到着。
定刻通り北見駅に到着。北見駅の前後は札幌方面が地下化、網走方面が高架化されているものの、北見駅自体は地上にホームがあり、玉葱など農産物の取り扱いを主とする貨物も取り扱う駅となっています。
改札口側の1番線に列車は到着したので、下車して、改札口で切符を渡します。そして、駅の外へ出て、予約しているレンタカー営業所へと歩いて向かうことにします。
- 次回予告
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