地のはて知床#11

2020/8/22

峠道を越え、再び道道知床公園線に入ります。目指すは「知床五湖」です。過去に2度来たことはありますが、いずれも高架木道だけの見学でしたので、今回は地上遊歩道も散策してみたいと思い、朝一番で向かいます。

知床五湖へ向かう途中には道路上でエゾシカを目撃。この旅ではまだヒグマに遭遇していませんが、遭遇することはあるでしょうか。観光船で浜辺にいるヒグマを見るとかでもない限りは、遭遇しない方が嬉しいものですが。(観光船では見たかった・・・!)

そして、9時15分頃。知床五湖に到着。知床五湖の駐車場は有料で1回500円となっています。駐車場は朝も早いので比較的空いていました。天然水を買って、地上遊歩道の散策をするためのレクチャーを受けます。

知床五湖の駐車場に到着。
ヒグマとヒトとの距離をしっかり保つことが大切です。

簡単に知床五湖の遊歩道をご紹介します。知床五湖の遊歩道には自由に利用できる「高架木道」と事前のレクチャー受講等が必要な「地上遊歩道」の2種類があります。さらに、後者の地上遊歩道には一湖~五湖までのすべてを回る「大ループ」と、一湖・二湖のみを回る「小ループ」の2種類が用意されています。

知床五湖の全体像を示した模型

今回はこのうち大ループというのを散策します。大ループはすべて回って3.0kmの行程でおおむね1時間30分くらいの所要時間が目安とのこと。(高架木道と小ループはいずれも1.6kmの行程で半分程度になっています。)

サービスセンターで料金の支払い・受付をします。
その後、奥の部屋でレクチャーを受けてからの出発です。
許可証を持って、いざ出発!
靴に付着したイロイロをしっかりと落としてからの入域です。自然を守るためには大切なこと。
ここが入口。ヒグマに逢いませんように!

しばらくはこんな感じの道が続きます!空気がきれいでいいんだけど、ヒグマがいるかもでちょっと落ち着かない森林浴。気にしすぎかもしれませんがね。
倒木も時より。
美しい森の中を歩きます

五湖

はじめに現れる湖は「五湖」。五湖の中では最も小さい湖。ちょうど風もやみ、水鏡となって美しい姿をみせていました。

ちょっと雲がかかっているのが残念ですがそれでもとっても美しい!

五湖の付近には青い色をしたとんぼが飛んでいてとても綺麗?でした。網を持ったスタッフの方が環境整備もされていました。そして、五湖の次は四湖に向かって進みます。五湖から四湖まではあっという間に到着しました。

四湖

続いて到着した四湖。訪問した前日にヒグマが対岸にいた!ということで地上遊歩道が閉鎖された場所なので、ちょっと緊張。当日は無事いませんでした。五湖同様に水面に山々が映りこんでいました。

(関係のない余談ですが)それにしても対岸にヒグマがいるのよく見つけたなーというくらい対岸が遠かったです。個人的には結構お気に入りポイントになりました。
大地をそのまま歩く区間もあれば、このように木道がしっかりと整備されている区間もあります。いずれにしても総じて歩きやすい道が続いています。(このようにと書いた割りには分かりづらい写真で大変申し訳ありません)
三湖の近くにある木々。この大きな木の裏側を覗いてみると・・・なんと空洞になっていて驚き。この木はいつまでもつのでしょうか。

三湖

そうして三湖に到着です。三湖は五湖のなかで2番目に大きい湖ですが、ほぼぐるっと周るように遊歩道が整備されているため、とても大きな湖に感じました。

先ほどの木の場所は木々に覆われていて、展望はさほど良くはありません。
雲成分が多すぎて、だけど晴れているので、真っ白な写真に。
三湖の脇に沿った道を歩きます。
湖沿いの道は時より湖畔にも出るため散策にはもってこいの道になっています。

二湖

さて、三湖から少し離れていくと、間もなく現れるのが「二湖」。知床五湖のなかでも面積が最も大きい湖です。高架木道からも訪れることができる「一湖」が一番有名かと思いますが、この二湖が最も大きく、三湖、四湖、一湖と続き、最も小さいのが五湖です。

木々に阻まれ、なかなかすぐには大きさを感じることはできません。
水は透き通っていてとても綺麗でした。
「二湖」の標識があるところは木道が脆いのかロープで区切られ入れなかったため、このような構図に。これもまた一興ですね。
このまま歩いて行くと湖畔に出れるスポットがありました。手前の花々、背景の雄大な山々、そして水鏡のように映し出す美しい湖。

二湖のうち、この展望スポットについては小ループからでも行けることができるようになっていますが、それも理解できるような開けた場所でした。

一湖

そしてついに最後の湖である一湖に到着です。これまでの湖とは雰囲気が違い、西側が開けていますが、これはかつて開拓されたためとのこと。知床五湖の高架木道を歩いていると、昔からこうだったのかなと思い込んでいましたが、そうではなかったのが驚き。

少し雲が多いですが、今までの二湖~五湖とは違った雰囲気でこれもまたそれまでとは違った意味での美しさがあるように思えました。
高架木道が見えてきました。
入ったらここからは出られないしっかりとした入口です。

湖畔展望台

ゲートを越えて高架木道ゾーンに入ってすぐの場所が「湖畔展望台」です。ちなみに、この時の時刻が10時45分頃。レクチャーを受け終えて出発したのが9時40分頃なので、1時間5分程度を要したようです。

湖畔展望台。知床連山を背景にした一湖を眺めることができます。

なんかいきなり雲が抜けていませんか?とお気づきの方もいらっしゃるでしょうか。地上遊歩道の後に訪問した時は次のような感じで、雲が連山にかかっていたのですが、午後に天気が良くなってきていたので、実は再訪問してしまい、その時に撮影した写真です。

人もいなくてばっちり!のつもりが若干の雲が・・・
連山をバックにした湖は非常に美しいですね。
知床連山と知床一湖。右上に鳥の影が映りこんでいます。(午後撮影)
オホーツク海が近くに迫っていますが、海のはるか上にいることは昨日のクルーズなしではなかなか分かりません。(午前撮影)
高架木道は非常に快適で、車いすでも利用できます。(午前撮影)

オコツク展望台

オコツク展望台はオホーツク海と知床連山、一湖のいずれもを見ることのできる展望台。「オコツク」とは「オホーツク」の意。

比較的利用者の少ない展望台なのでゆっくりと過ごすことができます。
湖側の展望はさほどではないような気がします。(地上遊歩道経由だからだと思いますが)
オホーツク海をバックに歩きます。高架木道のみの散策であれば、目の前にオホーツク海を望みながら散策することもできます。
ここから眺める連山も美しいです。(午後撮影)

知床連山展望台

オコツク展望台から眺める「知床連山」も美しいですが、より駐車場寄りに「知床連山展望台」も設けられています。ここからは知床連山がしっかりと眺めることができます。

美しい山々(午後撮影)
展望台はこのような様子です。(午後撮影)
高架木道のメインルートからは少し上ったところにあります。(午前撮影)

高架木道の散策も終え、駐車場エリアに戻ってきました。戻ってきたのが11時15分頃。これでもガイドなしで急ぎ目の散策でしたが、それでも95分を要したので、事前レクチャー等を含めると地上遊歩道大ループを散策するのであれば、少なくとも2時間は見ておく必要がありそうです。

パークサービスセンターで軽食を頂くことにしましょう!
まずは定番「こけももソフト」(300円)から頂きました。なお、地上遊歩道・高架木道への持ち込みは禁止です。
小腹も減っていたので、「鹿肉チーズバーガー」(350円)も食べてしまいました。美味しかったです。

少し長くなりましたが、知床五湖を満喫することができました。続いて、さらに知床の奥へ向かうことにしましょう。

(続く)


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