ハードランドフェリー「サイプリア宗谷」乗船記
2020/7/5
さて香深港からはこちらのフェリーに乗船します。ハートランドフェリーの「サイプリア宗谷」号。
まずは今夏のダイヤをご紹介。どうして朝イチから港に向かったかと言うと・・・
<参考>2020夏のフェリーダイヤ
港名 | 利尻発 | 礼文発 | 礼文発 利尻経由 | 利尻発 | 礼文発 |
---|---|---|---|---|---|
礼文香深 | 08:55 | 13:25 | 17:05 | ||
利尻鴛泊 | 08:55 | = | 14:10/14:35 | 16:40 | = |
稚内 | 10:35 | 10:50 | 16:15 | 18:20 | 19:00 |
往路でもお伝えしたように今夏は新型コロナウイルス感染症の影響による需要減少を受けて運航本数が通常より少なく、まともな時間に札幌に帰ろうとするには、礼文8:55発に乗らないと帰れないのです。16:15着の場合、稚内空港17:30発のNH4844便に間に合う連絡バスは出発後(16:00発)なのでタクシーを使わないと間に合わない。もちろん、タクシー使えば12kmの距離なので間に合うとは思うのですが、さすがに。そうなると、特急宗谷になるのですが、こちらは札幌到着が22:57着。家に帰るのは0時近く。金曜日に仕事終わり直行している身なので、それはさすがに。
そういう消極的かつ保守的な事情を勘案すると、10:50に稚内に着き、お昼を食べて、13時の特急で札幌に帰る(札幌着が18:25)のがベターという選択になってしまいます。少し寂しさはありますが、不便さを感じる旅。それもまた一興なのかもしれないです。
港には礼文島のゆるキャラ「あつもん」がいます。あつもんもしっかりマスクをしています。
切符売り場でチケットを購入しいざ乗船です。空いているので2等で十分なのですが少しでも…と帰りも1階ラウンジ席を購入。造りは往路に乗った「ボレアース宗谷」と大きく変わりません。
帰りは往路よりもガラガラで他に1組だけ。3人でこの空間を独占できるのは嬉しいのか、悲しいのか。定刻通りに出港し、稚内へと目指します。
礼文から少し離れると空も晴れてきました。礼文島は曇りがちの島というのはあながち嘘ではないのかもしれません。大きな利尻富士が見えます。
フェリーには売店も設置されています。お菓子類などを販売しているほか、アイスも販売しているようだったので購入しました。
外に出て海風を浴びながらいただきました。こちらのアイスクリーム、稚内駅のお土産売り場でも売っていますが、とてもおいしいのでお勧めです。フェリーのこの空間ってすごい好きなんですよね。なんか「旅しているな」とすごく感じる場所です。
ゆっくりと海風を浴びたところで座席に戻ってゆっくりすることにしました。ちなみに復路の座席もリクライニングさせると最大でこのくらいリクライニングできます。
ここまでは倒さずにゆっくりしていると次第に北海道本島が見えてきます。ノシャップ岬が見えるともう稚内港は間もなく。下船の準備をして到着を待ちます。稚内港に入る際、観光名所としても知られる「北防波堤ドーム」が一望できるので、これは見逃すことなくぜひ見ることをお勧めします。
そして、稚内駅付近を望みつつ、フェリーターミナルへと船は入っていきます。中央右の高い建物が稚内随一のシティホテル「サフィールホテル」で、元々はANAホテルだったとか。そして山の上に塔がある場所は稚内公園です。
名残惜しいところですが稚内に到着。ちなみにフェリーターミナルはこのような感じになっています。
ちなみにフェリーターミナルの外観はこんな感じ。左側が利尻・礼文へと向かう国内航路、右側が(その真向かいに位置する)サハリンへと向かう国際航路のターミナルです。
なお、サハリン行きは平成7年(1995年)から平成27年(2015年)まで利尻・礼文と同じハートランドフェリーにて夏季の季節運航がなされていましたが、輸送量の減少により撤退。平成28年(2016年)からは第三セクターなどが中心となり運航されましたが、僅か3年で終了。令和元年は運航されず、今年はもちろん運航されていません。戦前においては(サハリン南部は)南樺太として日本領でしたので、この区間は「稚泊航路」として運航されていた歴史ある航路ですが再度の運航の見通しは不透明な情勢。もしいつの日かこの航路でロシアに旅ができる日がまたくればぜひ乗ってみたいと思います。
<続く>
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