夢の帝国#2

街を見守るもの

2024/9/20

オープンサンド

ウィーン中央駅前のイビスホテルに荷物を預けた後は、再びウィーン中央駅に戻ります。今度はウィーン中央駅からウィーン地下鉄(U-Bahn Wien)1号線に乗って、オペラ座などのある旧市街中心部に向かいます。

ちなみに、地下鉄の駅は中央駅という名前のほかに、ズュートティローラープラッツ駅という名前があります。これは、ウィーン中央駅が2012年に開業しているため、両方の駅名が併記されています。

朝の時間帯はかなりの頻度で運行されているようで、ホームに降りるとすぐに地下鉄がやってきました。混雑はしていますが、東京のラッシュ時とは比べ物にならないくらい空いているので、不安はありません。身の回り品に注意をしながら、少し緊張しながらの移動です。

目的地のカールスプラッツ駅までは2駅なので、手で開けるスタイルのドアに驚いたりしていたら、あっという間に到着しました。駅に到着して、オペラ座方面に出ると、壮観な景観が待っていました。

当初は、カールスプラッツ駅の近くにはホテルザッハーという名門ホテルのなかにあるカフェザッハーで、ウィーン名物の「ザッハートルテ」を食べようと思っていました。しかし、ちょっと疲れがたまっているようで、チョコレートケーキをおいしく食べられる気がしなかったので、とりあえずやめておくことにしました。

やめたはいいものの、何かやることが決まっているわけでもなかったので、カールスプラッツ駅から北に向かって伸びる目抜き通りであるケルントナー通りを歩いてみます。まもなくシュテファン大聖堂に到着しました。ただ、この大聖堂の塔は9時オープンなので、それまでの時間をどうするか考えます。

大聖堂近くにある、これまたウィーンを代表する「ペスト記念柱」なども見学してみますが、なんとも時間の使い方に迷ってしまいます。

少し街に慣れ、緊張も少しほどけてきたところで、空腹を感じるようになりました。朝は機内食をいただいたはずなのに…と思いましたが、よく考えれば、現地時間の早朝4時前にいただいているので、お腹が減るのも当たり前ではあります。

近くのお店を探していると、サンドウィッチの有名店「Buffet Trzesniewski Dorotheergasse」があり、8時半からのオープンのようなので、こちらに行ってみることにしました。

店内に入ると、たくさんのオープンサンドが並んだショーケースがあります。ここで食べたいものを選ぶのですが、あんまりよくわからず、直感で選択しました。飲み物は何にしようか迷いましたが、コップの炭酸水にしました。

お客さんは誰もいませんでしたが、後から日本人女子2人組がやってきて、出るころには数組のお客さんがいました。地元の方はテイクアウトされて帰られる方が多そうでした。

味のほうは何かよくわからず頼んだせいもあって、好きな味とそうでもない味とありましたが、好きな味はおいしかったです。食後はセルフで片づけるようなので、片づけてから帰りました。

シュテファン大聖堂(Stephansdom)

再び、シュテファン大聖堂

ウィーン歴史地区の中心にそびえ立つ大聖堂。このシュテファン大聖堂は、12世紀半ばから建てられ、のち14世紀以降に現在のゴシック様式に改築されました。シンボルである南塔(Sudturm)は高さ136.7メートルで、教会の塔としては世界で3番目の高さです。

大聖堂前の広場は狭くはないものの、この高い塔を含めて写真に収めるのは至難の業。日本に広角レンズを置いてきてしまったのを少し後悔しながら、手元のiPhoneで撮影します。

まずは南塔(Sudturm)に登ります。高さ136.7メートルの南塔へは、大聖堂の南側にある入り口から、塔の途中の見張り台まで登っていくことができます。

9時のオープンに合わせて、入り口で6ユーロを支払い、階段を登っていきます。この階段が行き違いもしづらいほどの狭さと、1段がしっかりあるタイプのらせん階段で、登るのは少し大変です。今回、週末や日中などは混雑するだろうと平日の朝イチにしてよかったです。

10分かからず、無事に見張り台まで到着しました。あいにく曇り空ではありましたが、ウィーンの旧市街からウィーンの森と呼ばれるエリアまで見渡すことができました。

何がよかったって、まさにヨーロッパという感じがして、よかったです。

続いて、大聖堂のなかに入っていきます。大聖堂の内部は全長107メートルあるのですが、かなり重厚な雰囲気が漂っています。

主祭壇の前など中心部分に入るには有料で6ユーロだったのですが、外からでも十分見れたので、見学はしないことにしました。ちなみに、南塔・北塔・宝物館・カタコンベ(Katakomben/ペストで亡くなった約2000体の骨とハプスブルク家の人々の心臓以外の内臓を入れた壺が安置されている施設)などとセットになっている、オールインクルーシブチケットも販売されていて、こちらは20ユーロでした。

続いて、北塔(Nordturm)に向かいます。北塔は大聖堂のなかからエレベーターで上がっていきます。

受付の人にカタコンベじゃないけど大丈夫か?と言われたのですが、カタコンベのほうが人気なんでしょうかね。個人的にちょっと不気味な気がしたのでカタコンベは行かなかったです。ただ、いまさらながら、行っておけばよかったとプチ後悔しています。

有人エレベーターに乗って、北塔の展望台に到着。気が付けば太陽の光も出てきて、いい感じです。この北塔は、当初、南塔と同じ高さで造られる予定だったものの、財政難で途中までしか建設されたなかったそう。

ウィーンの街並みを眺められるのはもちろん、シュテファン大聖堂の美しい屋根瓦も一緒に見ることができます。また、巨大な鐘が吊るされていて、見ごたえ十分でした。

最後は、大聖堂の外を一周してから、次の目的地に向かいます。

朝8時台は清掃や物流といった仕事をされている方がメインだったシュテファン大聖堂周辺も、出発する10時過ぎには観光客がかなり多く、にぎやかになっていました。

ペスト記念柱とペーター教会

シュテファン大聖堂からは西に延びるグラーベン通り(Graben)を進みます。このグラーベン通りはブランド店なども立ち並ぶウィーン中心部のショッピングエリアです。

道の途中にはペスト記念柱(Wiener Pestsaule)があります。これは1679年、ウィーンでペストが大流行した後、その終息を記念して、当時の皇帝・レオナルド1世によって建てられました。当初は木製で、現在の姿になったのは1693年のこと。以来、ウィーンの街を見守っているようです。

ペスト記念柱を少し過ぎると、バロック様式のペーター教会(Peterskriche)もあります。ここでは、毎日15時からオルガンコンサートが開かれているよう。聴きたかったですが、あいにく時間があわなかったので、聴きにくることはできませんでした。

王宮庭園

続いて王宮(Hofburg)に向かいます。ミヒャエル広場(Michaelerplatz)から入ります。手前にスペイン乗馬学校があるのですが、行かないつもりなので、そのまま奥に向かいます。奥にはフランツ2世像のある広場、さらに行くと新王宮があります。

王宮への入り方がわからないまま、彷徨っていると、飲み物が欲しくなってきたので、飲み物を買えるところを探します。コンビニチェーンはないようなので、少し離れたところにあるスーパーに向かいました。

なお、後から気が付きましたが、ミヒャエル広場の向かいにもスーパーがありました。こちらのスーパーは、お土産品などもかなり豊富に取り扱いしていたので、お勧めです。

そんなこんなでいたらかなり時間が経っていたので、王宮見学は午後に回して、午前最後の観光は王宮の東側にある王宮庭園(Burggarten)を散策することにしました。

この王宮庭園は、新王宮に面していて、朝6時から夜22時まで開いている市民の憩いの場となっています。この日も多くの人が思い思いの時間を過ごしていました。

ウィンナー・シュニッツェルとオーストリアビール

ランチは近くにあるオーストリア料理店「WIENER KUCHE」でいただきます。ビールとウィンナー・シュニッツェルを注文しました。ランチの時間は、ポテトサラダも付けられるようだったので、ポテトサラダも追加しました。

まずは、ビールから。念願のオーストリアビールです。オーストリアは一人当たりのビール消費量が世界第2位で、隣国チェコや同じドイツ語圏であるドイツと同様、ビール大国です。こちらのお店の銘柄はゲッサービール(Goesser Beer)というオーストリアで有名なビール。長いフライト後の身体に沁みます。

その後、ウィンナー・シュニッツェルもやってきました。もう見るからにわかりますが、サクサクでおいしいです。一人で食べると、これ一皿でお腹いっぱいになってしまう大きさですが、ビールとともに、おいしくいただきました。

ちなみに、ビールもウィンナー・シュニッツェルももちろん美味しかったですが、ポテトサラダの味付けが最高でした。

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