飛騨路の夏#10

特急「ひだ10号」乗車記

2023/9/3

特急「ひだ10号」(高山→名古屋)

今回は一筆書きの乗車券を購入しているので、復路は高山駅からは名古屋駅経由で東京に帰ります。富山から高山までの特急は4往復ですが、高山から名古屋までは10往復設定されているので、利便性は名古屋側の方が圧倒的です。

出発まで時間があるので、駅の売店で名物駅弁を購入します。


駅弁を購入して、ホームに向かうと既に列車が入っていました。富山から高山まで乗ってきた電車と同じ車両です。

今回は1号車に乗車します。ちなみに、高山本線内の高山~岐阜間は1号車が先頭ですが、岐阜駅でスイッチバックをして、東海道線に直通して名古屋へ向かうため、岐阜から最後尾となります。

1号車でお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、帰りはグリーン車を利用します。


列車は高山駅を定刻通り出発。宮川に沿って南へ進みます。この列車は通過する高山駅の隣駅・飛騨一ノ宮駅を過ぎると、宮峠を越えるのですが、ここから先は木曽川水系ーつまり分水嶺を越えて太平洋側ーである飛騨川に沿って走ります。

それでは、ランチにします。今回は「飛騨牛しぐれ寿司」という駅弁を購入しました。この駅弁は高山駅の人気駅弁で、飛騨牛のローストビーフと牛肉のしぐれ煮が入っています。

まずはこのローストビーフをいただきましたが、やわらかくて絶品。駅弁でこの味が楽しめるのは人気になるのも分かります。そして、牛肉の時雨煮も程よい甘みと肉の食感がまた絶品。美味しくてついついお酒も進みます。

食後はグリーン車の快適な座席に揺られます。高山を出発して約45分ほどで、有名温泉地の下呂に到着します。下呂温泉はまだ来たことがないので、いつか来たいところです。

下呂の先は飛騨川の峡谷沿いに沿って進みます。白川口駅といういかにも白川郷の最寄り駅を過ぎると、沿線随一の見どころ・飛水峡を通過します。飛水峡は全長約12kmにわたる峡谷で、甌穴が河床の岩盤上に数多見られる「飛水峡の甌穴群」などが有名です。

ちなみに、白川口駅は、白川郷の最寄りではなく、川の反対側にある加茂郡白川町の玄関口ですので、間違いないようにお気を付けください。

この白川町から南は飛騨地方ではなく美濃地方となり、飛水峡を過ぎると間もなく美濃太田の市街地に入ります。長らく峡谷沿いだった車窓をも徐々に都市の雰囲気が出てきます。鵜沼、各務原を経て、岐阜県の県庁所在地・岐阜市まで着くと、名古屋はもう少しです。名古屋まではあっという間なので、スイッチバックしても座席は動かさずに過ごします。

高山から約2時間30分で名古屋に到着。灼熱地獄の名古屋からは東海道新幹線で東京へと帰りました。今回は初めて飛騨地方を旅しましたが、いいところでした。また行きたいそんな思いを抱きつつ、家路につきます。