ひむかの国#2

宮崎市・青島

Date: 2025/1/25

10時40分、青島に到着。お目当てのランチまで少しだけ時間があるので、JR日南線の青島駅まで来てみました。日南線では、宮崎駅から約30分とバスよりも早いのですが、本数が少ないのと宮崎空港からだと乗り換えが必要になるため、今回は使いませんでした。

漁師料理ひで丸

駅から歩いてすぐのところにある「漁師料理ひで丸」にやってきました。開店時刻より少し早くやってきて、一番乗りで店内に入れました。相席でもよいですがと聞かれたので、もちろんと答え、席に座ります。

すぐにお客さんがどんどん入り、予約なしのお客さんが私含めて3組(2テーブル分)のみ入れたようです。案内が済んだところで、「ひで丸定食」(1,800円)「瓶ビール」(600円)を注文します。

まずはビール(サッポロ黒ラベル)からいただきます。旅先で昼から飲むビールはいつだって最高です。しばらくして、注文していた「ひで丸定食」がやってきました。お刺身5点盛り、焼き魚、煮物、酢の物に小鉢、みそ汁、ご飯が付いた豪華セットです。

まずはお刺身からいただきます。醤油は九州の甘い刺身醤油と普通の醤油が用意されていたのですが、折角の九州なので、甘いお醤油でいただくことにしました。

どれも美味しかったですが、個人的には焼き魚がよかったです。味付けが完璧で、ご飯が進みます。

食べ終えた後は、待っている人もいるので、お会計をします。なお、お会計は現金のみで、キャッシュレス決済は使えません。

青島

それでは、青島に向かうことにします。ランチの前はまだ晴れ間も見えましたが、ランチを終えてお店の外に出ると、北側には晴れ間が見えるものの、上空は完全な曇り空。

強い風も吹いていたたため、かなり寒く感じます。沖縄ほどではないにしろ、常夏のイメージの宮崎で、意外な寒さにやられます。ちなみに、調べてみると、宮崎市は積雪はしない一方、意外と寒く、冬日の観測は東京よりも多いそうで、これはとても意外。もっと厚着でくればよかったと反省しながら、青島へと向かいます。

青島は、宮崎市南部にあり、太平洋(日向灘)にある周囲860メートルの小さな島です。島は、「鬼の洗濯板」と呼ばれる、砂岩と泥岩が規則的に交互に重なった地層が隆起して出来た地形で囲まれているのが特徴です。干潮のときに訪れたかったところですが、潮位の比較的高い時間でも十分に「洗濯板」感を楽しむことができました。

青島は島全体が青島神社の境内地になっており、島に着くと、すぐ鳥居が出迎えてくれます。青島神社は、海洋信仰から創建され、江戸時代までは全島が禁足地とされていた歴史があります。祭神には、山幸海幸神話に因む神が祀られており、縁結び、安産、航海安全の神として知られています。

海から続く参道を歩き、まずは拝殿へと向かいます。

ちなみに、この参道、振り返ってみると、とても素敵です。

神門の先には立派な拝殿があります。こちらの拝殿は、1974年(昭和49年)の火災後に建て替えた新しい建物となっています。

お賽銭を投じ、縁結びとご多幸をお祈りします。

拝殿をみたら帰るというのは仁和寺にある法師です。拝殿でお参りした後は、拝殿の右側にある「御成道」という、大正天皇が参拝された際に、元宮までのビロウ林内に整備された道をたどって、元宮へ向かいます。

元宮の前に、このビロウ林をご紹介しましょう。青島は温暖・多雨の気候にあった天然の植生がありますが、神域であったことから、これがしっかり残っていて、青島亜熱帯性植物群落として特別天然記念物にも登録されています。そのなかでもこのビロウは最も多く約8割を占める「青島を代表する植物」なのです。

ビロウ林を抜けると、元宮にはすぐ到着します。元宮は、本来の社地であったと伝わっており、本社と同じ3柱の神を祀っています。

元宮には「投瓮(とうか)所」というのがあります。ここでは、素焼きの盃を奥の磐境に投げ入れる「天の平瓮投げ」をすることができ、磐境に入れば心願成就、割れれば開運厄祓とされています。

また、夫婦ビロウの木に、 願い事によって色が異なる紙縒を結ぶと願いが叶うといわれる「産霊紙縒」もあり、「紫色(心身健全)」・「碧色(生業成就)」・「黄色(商売繁盛)」・「桃色(良縁)」・「白色(心願成就)」を願うことができます。

今回は、天の平瓮投げをしてみて、心願成就を祈願しました。

青島神社の参拝後は青島をぐるっと回って戻ることにしました。距離はほとんどなく、灯台やビロウの木々なども観ることができるので、折り返すよりもお勧めです。

青島から戻ると「黄色いポスト」を発見。このポストは、青島へと渡る弥生橋の手前に、 青島に訪れる方々への幸せを願って設置されたもののようです。フォトスポットとして有名なようですが、風が強く、寒すぎるからか、この日ポストを撮っている人はほとんどいませんでした。

宮交ボタニックガーデン青島

青島神社へと渡る手前には「青島亜熱帯植物園(宮交ボタニックガーデン青島)」があるので、帰りはこちらを見学してみることにします。県立の植物園で、ネーミングライツとして、宮交ボタニックガーデン青島の名がついています。

当初、この植物園が青島亜熱帯性植物群落の保護対策や学術研究の場とすることを目的として造られたため、外苑には、ビロウをはじめ、青島付近に自生していた植物が展示されています。

外苑以外にも施設があり、こちらの「熱帯果樹温室」は、マンゴーやパパイア、バナナなど亜熱帯・熱帯地域の果樹が展示されていました。

また、こちらの「大温室」には、180種類・1,500本以上の植物が展示されています。この時は、ブーゲンビリア(写真2枚目)やオオゴチョウ(写真3枚目)などがきれいに咲いていました。

ちなみに、開園直後の1965年(昭和40年)にシンガポール植物園と姉妹動物園の締結をしており、シンガポールから譲り受けた植物が展示されているほか、ミニマーライオンも鎮座していました。

青島屋

植物園の隣には「青島屋」という商業施設があるので、バスが来るまでの約40分ほどこちらで休憩しておくことにします。なお、宮崎市方面のバスは間隔がかなり空く時間があるので、事前によく確認しておくのがお勧めです。

お昼時間帯ということもあって、レストランフロアのカフェ利用はできないようだったので、「鳥居ソフト」(650円)とカフェラテ(440円)を注文して、休憩フロアでのんびりと過ごします。

鳥居ソフトはいくつか種類があったのですが、ソフトクリームに、マンゴーの果実、そして鳥居をトッピングした「ミックスマンゴー」を注文しました。鳥居をいただくのは不遜な気もしますが、マンゴーもソフトクリームも美味しかったです。

宮崎交通(青島→橘通2丁目)

バスの時間に合わせて、青島バス停にやってきました。

そして、バスは定刻よりも少し遅れて到着しました。間隔が空いていたこともあり、かなりお客さんが待っていましたが、何とか座ることができました。1時間弱かかるので、座れてよかったです。

途中のバス停でもかなり乗車があり、終始混雑していましたが、約50分かけてホテル最寄りの「橘通2丁目」バス停で下車します。

バス停から、本日の宿「ドーミーイン宮崎」まではあっという間です。まずは、大浴場で、身体を温めることにしたいところです。

(続く)