宇宙の島#5

西之表・中種子絶景ドライブ(前編)

2023/11/24

荒波の東シナ海

レンタカーを借りた後は、島の北部へ向かっていきます。海沿いの道は市街地を出ると、片側1車線がしっかりと整備されていて、海を眺めながらの快適なドライブです。

その後、板敷鼻へ向かうべく幹線道路を離れました。ここからは狭い道。軽自動車にしてよかったと思いつつ、まずは「夕陽が丘展望広場」で小休止。夕陽が美しいこと間違いなしです。

夕陽が丘展望広場からさらに進むと、最初の目的地にしていた「板敷鼻」に到着しました。途中、やや不安な道もありましたが、到着する直前に、突如住宅が複数現れて、驚きがありました。

駐車スペースからは東シナ海を望めないものの、数十メートルでこの絶景が広がっています。

ここは、武骨な岩場が続く種子島西海岸のなか、切り立った大きな平岩が複数連なっており、東シナ海の絶景を望むことができます。ただ、この日は船便に影響が出るほどの、かなりの強風で、今にも吹き飛ばされそうでしたので、ちょこっと写真を撮って撤退しました。

この先、地図上は、幹線道路まで続く海沿いの道が数キロ続いているようなのですが、不安が大きかったので、今回は一旦南に戻り、幹線道路から分かれたところまで戻ることにしました。

途中にある「大崎塩屋神社」。鎌倉時代、種子島氏の始祖が種子島で製塩業を始めた後、製塩業が盛んだった当地区に、製塩業の成功を祈って建立された種子島家直営の由緒ある神社です。

ただ、今回は立ち寄りましたが、通せんぼしてあったので、中には入りませんでした。

種子島随一の海

幹線道路まで戻った後は再び北上し、「浦田海水浴場」へと向かいます。

浦田海水浴場は、島北部の入り江にある海水浴場で、「日本の水浴場88選」にも選ばれている、透明度の高い海となっています。この時期はもちろん営業していないので、景色を楽しむことにします。

まずは展望台にのぼってみます。エレベーターもあるようですがこの時期は利用できないようで、階段でのぼっていきました。展望台からは海水浴場が一望できました。実に美しい。

続いて、ビーチに下りていきます。こちらのピンクのベンチでしばしのんびり過ごしました。ここでビールでも飲んだら最高だと思いますが、運転しているので今回は我慢です。

もっともお酒も持ち合わせていないですし、実際には風が強くてのんびりできる感じでもなかったのですが、写真で振り返るとここでビールを飲みたい気持ちが高まります。

帰り際、「浦田海水浴場展望所」から、改めて浦田海水浴場を眺めてみます。緑と青のコントラストが素晴らしいです。長閑です。

島の北端

浦田海水浴場の次は、島の北端「喜志鹿埼灯台」へと向かいます。喜志鹿埼灯台は、大隅海峡に面する種子島最北端の灯台です(ただし、実際の最北端からは少しだけ南の場所に灯台があります。)。

かつては旧日本軍の監視所も置かれ、当時の砲台跡も残っています。

この日はとてもよく晴れ渡っていたため、遠く、九州・大隅半島も望むことが出来ました。

島の植生

最北端・喜志鹿埼灯台からは元の幹線道路まで戻り、続いては島の北東部へと向かいます。間もなくあるのが「湊地区」で、湊川の河口に集落が形成されています。

ここには、「種子島のマングローブ林」ともいえるメヒルギの自生群落があります。

沖縄本島などではメヒルギとオヒルギなどが混生している一方、種子島・屋久島地方ではメヒルギ単一の群落となっているのが特徴であるそう。また、この「メヒルギ自生群落」は、天然の自生地としては北限にあたり、世界の天然マングローブ林の北限にもあたるとのこと。先ほど眺めた大隅海峡で、自然が大きく変わるようです。

ここからは、これまで走ってきた島の海岸沿いを走る幹線道路を外れて、湊川沿いに南下していきます。しばらく進むと「ヘゴ自生群落」に辿り着きます。湊川の支流沿い約1kmに渡って、木生シダ植物の「ヘゴ」が自生しています。かなりの規模で、森林浴にも最適です。

東海岸の眺望

その後は、ヘゴ自生群落に沿って、島の東側へと進みます。途中、「木折坂」に立ち寄ります。県道沿いから伊関地区を一望できるスポットです。どこも海が美しい限りです。

一旦、島の周回道路まで戻った後、少し南下して再び山をのぼり、「天女ヶ倉公園」にやってきました。この公園は島で最も標高のある場所にあるため、美しい種子島の景色を一望することができます。