夢の帝国#8

ウィーンの定番(シェーンブルン宮殿とザッハートルテ)

2024/9/23

カフェザッハー(Cafe sacher)

オーストリアも4日目。明日は午前中に出発するフライトで帰国するため、今日が実質的に最終日となります。まだまだ行きたいところも、やりたいことも、いっぱいあるけれど、今日を満喫して、できなかったことは次回来る理由にしましょう。

今回は素泊まりで予約しているので、ホテル最寄りの駅から地下鉄に乗って、カールスプラッツ駅へと向かいます。

駅から歩いて向かったのは、初日の朝に行こうと思っていたけれど、コンディションがいまいちでやめた「カフェザッハー」です。こちらはウィーンを代表するカフェで、ウィーンを代表するスイーツ「ザッハートルテ」発祥のお店であります。日中の時間帯は混雑しているようですが、朝いちばんは空いているようなので、開店直後に合わせてやってきました。

店内に入っていい感じの席に通していただけました。ここに来たら、「ザッハートルテ」と「メレンジェ」はマストですが、朝食にチョコレートケーキは30代男性には少し厳しい・・・ということで、朝食メニューのブレッドセットも注文しました。

ザッハートルテは、チョコレートをふんだんに使った、超王道のようなチョコレートケーキです。濃厚なチョコレートの甘味と香りに加えて、無糖のホイップクリームやチョコレートのスポンジの間にある甘酸っぱいアプリコットジャムがいいアクセントになっています。

一緒に頼んだ「メレンジェ」は、モカに泡立てたミルクを混ぜた飲み物で、こちらもカフェザッハーの定番メニュー。ウィーンを感じられるいい朝ごはんになりました。

シェーンブルン宮殿(Schloss Schonbrunn)

カフェザッハーの後は再びカールスプラッツ駅に戻り、乗ってきた地下鉄4号線で、シェーンブルン駅へと向かいます。

シェーンブルンに来た理由は、もちろん、「シェーンブルン宮殿」です。シェーンブルン宮殿は、ウィーンの南西部にある宮殿。皇帝レオポルト1世がパリのヴェルサイユ宮殿に対抗すべく建設し、のち女帝マリア・テレジアによって、現在の姿に大改築されました。

このシェーンブルン宮殿は初日に訪れたシシィ博物館でシシィチケットで入場できるので、チケットカウンターには寄らずに、入り口へ向かいます。シシィチケット以外の場合は、日時指定が必要なので、シシィチケットを購入すると非常に便利です。

それでは、入場していきます。階段をのぼり、2階に上がります。シェーンブルン宮殿も日本語のオーディオガイドを借りられるので、分かりやすい解説とともに見学ができます。

宮殿内には皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の寝室(写真1枚目・2枚目)や、皇妃エリーザベトが体系維持のために身体の手入れをしていた化粧室(写真4枚目)などもあります。

王宮でもエリーザベトがプロポーションの維持のための部屋がありましたが、ウィーン王宮の夏の離宮であるここシェーンブルンにも、しっかりとその部屋があります。少しでも見習いたいところです。

もちろん夫婦の寝室もあります。青を基調とした立派なお部屋ですが、ここで2人で過ごしたのは結婚当初のみということ。

この先も豪華な部屋が続きます。鏡の間(写真5枚目)はマリア・テレジア時代の行事用サロンで、モーツァルトが6歳の時、初めて皇帝の前で演奏をしたことで知られています。続く、ローザの間(写真6枚目)には、ハプスブルク家発祥の地・ハビヒツブルクの古城の絵などが展示されています。

そして、一番の見どころである「大ギャラリー」(写真1枚目)に到着しました。皇室主催の舞踏会やレセプションに使用された長さ43メートル、幅10メートルの大広間です。1814年のウィーン会議の会場となったほか、1961年には米ソ首脳会談もここで開かれました。天井のフレスコ画(写真2枚目)は、平和、帝国の繁栄、戦争をテーマにしたグレゴリオ・グリエルミの大作です。

大ギャラリーに隣接する小ギャラリー(写真3枚目)も大ギャラリー同様に立派なフレスコ画が天井に描かれています。また、小ギャラリの脇には、「丸い中国の小部屋」(写真4枚目)と「楕円形の中国の小部屋」があり、マリア・テレジアが気に入っていたという日本や中国の漆器類が並んでいます。

大ギャラリーを少し過ぎると、「家族セレモニーの間」があります。チケットには2種類あり、「インペリアルツアー」はここまでとなります。シシィチケットで入場した場合は全室見学可能な「グランドツアー」となっているため、ここで再びチケットをかざして、奥に入っていきます。

グランドツアー最初の区画は「青い中国の間」なのですがこちらは残念ながら改装中でした。続く「漆の間」(写真1枚目)は夫との思い出の部屋として、夫に先立たれたマリア・テレジアが改装した部屋です。壁面の漆塗は中国・北京のものです。

漆の間の次は「ナポレオンの間」(写真2枚目)です。こちらはもともとマリア・テレジアの寝室でしたが、ナポレオンがウィーン占領した際にナポレオンが寝室として利用しました。

宮殿見学を終えた後は、小高い丘にあるグロリエッテ(Gloriette)に向かいます。

途中にあるのがネプチューンの泉です。ギリシャ神話の海神ネプチューンに祈るテティスを中心とした彫像から噴水が流れ出ます。泉の背後からは滝越しの宮殿を見ることができるとのことで、一枚。いい感じです。

ちなみに、シェーンブルンという地名も、皇帝マティアスが狩猟をしていた付近の森で、おいしい湧きだす泉を「美しい泉(Schoner Brunnen)と名付けたことに由来しています。

そして、小高い丘に登り、グロリエッテに到着しました。グロリエッテは、18世紀の世界大戦ともいわれる七年戦争における対プロイセンの勝利を祈念し、戦没者の慰霊のために建てられました。屋上には展望テラスがあり(有料。シシィチケットの場合は別料金が必須)、テラスからはシェーンブルン宮殿とウィーン市街を一望することができました。

約3時間の宮殿見学を終えて、シェーンブルン駅へと戻ってきました。今日の午後はウィーンの森エリアへと向かいます。

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