飛騨路の夏#2

高山まちあるき(前編)

2023/9/1

味蔵

高山駅からは一旦宿泊する駅近くのホテルで荷物を預けてから、ランチへと向かいます。本日のランチは飛騨と言えば、飛騨牛ということで、焼肉ランチをいただきます。

訪れたお店は、高山駅から歩いてすぐのところにある「味蔵」さんです。こちらはJAひだグループが経営しているということで、期待も膨らみます。

混雑していることも少なくないようですが、この日は店内に入ると席にすぐ案内されました。ビールとランチを注文して待ちます。

ビールは折角なのでご当地クラフトビール「飛騨高山麦酒」を注文しました。こちら、スッキリした後味が楽しめて、美味しいビールでした。

ランチは飛騨牛を色々楽しみたかったので、「飛騨牛盛り定食」を注文。いい感じです。

飛騨牛について調べてみると、飛騨牛の祖は但馬牛とのこと。「安福号」と名付けられた但馬牛の雄牛から4万頭弱の子が誕生し、今の飛騨牛ブランドを支えているようです。

ご当地ビールと一緒に飛騨牛を満喫した後は食後のデザートもありました。少々お高いイメージのある飛騨牛ですが、ランチで手ごろに楽しめて大満足でした。


飛騨国分寺

お腹も満たされたところで高山市内観光に向かいます。まず訪れたのは、高山駅の北側にある「飛騨国分寺」です。

飛騨国分寺は、聖武天皇による国分寺建立の詔の後、757年頃に建立された歴史ある寺院です。室町時代中期に再建された本堂のほか、平安時代からの仏像が重要文化財にも指定されています。また、境内には、推定樹齢1250年、飛騨国分寺が建立された頃から高山の街を変わらず見守っていた大いちょうがあります。

大いちょうと並んで目を引くのは「三重塔」でしょう。こちらは1820年(文政3年)に再建された塔で、高さ約22メートルです。

庚申堂の横には「ざるぼぼのなで仏」があります。ざるぼぼの「ぼぼ」は、飛騨地方の方言で「赤ちゃん」のことで、「ざるぼぼ」とは「猿の赤ちゃん」のことを言います。飛騨地方ではかつてから「ざるぼぼ」が造られてきました。

縁結び、安産、夫婦円満や子の成長などを願うお守りとされ、さらに、願いが叶った後に、ざるぼぼ堂の横にある「満願成就の棚」に人形を返すと、4月の庚申の日に供養されるそうです。



高山陣屋

市内を歩いて、次に向かったのは「高山陣屋」です。

高山のある飛騨国は、戦国時代を経て、飛騨国を攻略した金森氏が治めていました。この高山陣屋は、その金森氏のお屋敷として建てられました。その後、飛騨の豊富な資源に目を付けた幕府は飛騨国を直轄領としたため、金森氏は移封となります。直轄領となった後、この建物は飛騨国の行政を担う代官所として機能していました。

陣屋の見どころを2つご紹介しましょう。一つ目は、釘隠しに使われている「真向兎」です。

ウサギは、子どもを多く生むため、子孫繁栄を表し、縁起がよいことを表しています。また、魔除けや治世の象徴ともされています。陣屋では多くの釘隠しに真向兎が使われています。

もう一つは、「青海波」です。

青海波は、江戸時代に流行した吉祥文様のことで、無限に広がる波の模様から、繁栄と平和が続くことへの願いが込められていると言われています。

陣屋観光の後は、陣屋前にある「陣屋だんご店」でみたらし団子をいただきます。

陣屋だんごは、もちもちとした柔らかい食感が楽しめる小さなお団子が5つ連なっています。お味は、甘いお団子というよりかは、お醤油の香ばしさが目立っていて、これまた甘ったるさもなく、食べ歩きにちょうどいい一品でした。