飛騨路の夏#1

「かがやき」から「ひだ」へ

2023/9/1

「かがやき503号」(東京→富山)

今年も気が付けば9月になっていました。この夏は体調を何度か崩してしまい、体調管理の大切さを思い知らされました。そういいつつ、秋にも体調を崩してしまうのですが。

さて、9月1日。今日は北陸新幹線に乗って、富山へと向かうべく、朝の東京駅へやってきました。

乗車するのは「かがやき503号」金沢行きです。

それでは、初めに今回の旅のルートを説明します。今回は東京発東京行きの片道乗車券で一筆書きでぐるっと回ってくる予定です。北陸新幹線で富山へ、富山から高山線で高山へ。高山と白川郷で1泊ずつして、3日目に高山から名古屋経由で東京へ帰ってくる予定です。今回のメインである飛騨地方は初めてなので、期待が高まります。

平日なのでビジネスマンも乗る車内で朝から駅弁&ビールというのは少し罪深い気がしますが、東京駅で駅弁とビールを購入したので、こちらをいただきます。幸いにも隣の席はバックパック背負ったお兄ちゃんだったので、罪悪感は0%です。

こちらのお弁当、二段重ねになっており、一段は「松茸ごはん」、もう一段はおかずの詰め合わせとなっています。おかずの詰め合わせは、にしんの煮つけや帆立風味フライなどこれまたお酒が進みそうな品々がお弁当いっぱいに詰められています。ビール一本では足りないと言いたいところですが、まだ朝なので、一杯で我慢です。

長野から先は初めて乗車するので車窓でも楽しみたいところでもありますが、トンネルも多い区間で、早起きをしたこともあって、気が付いたらうたた寝していると、東京駅から約2時間、あっという間に富山駅へ到着しました。北陸は、北陸新幹線のおかげで、本当に身近になりました。


特急「ひだ8号」(富山→高山)

富山駅では一旦改札の外に出てから、在来線に乗り換えます。在来線は、北陸本線を転換した「あいの風とやま鉄道線」と「高山本線」の2つが運行されており、今回は高山本線の特急「ひだ8号」に乗車します。

ホームに上がったところ、まだ列車が来ていなかったのでやってくるのを待つことにします。特急「ひだ」は、高山、下呂、岐阜を通り、名古屋まで行く特急列車です。

ホームに列車がやってきました。特急「ひだ」号で使用されている車両はHC85系という新しい車両で、この日は4両で運転されていました。

今回は先頭の7号車に乗車しました。4両編成なのに7号車というのは、高山駅で前に車両を増結するためで、高山までは7~10号車の4両での運転のようです。

なお、通常の高山~富山間は2両編成で運転されているようです。

増結されている効果もあって、車内は空いているものの、インバウンドの観光客も多く、賑やかです。

定刻通り、9時54分に富山駅を出発。神通川を渡り、列車は富山市西部の住宅地を走ります。このあたりは富山の近郊区間で列車の運行本数も多い区間です。富山駅を出て、最初の停車駅は、越中八尾駅です。

越中八尾と言えば、「おわら風の盆」が有名ですが、ちょうど今日からの3日間に開かれるということで、これから賑やかになるのでしょう。一度は見てみたいお祭りの一つです。

越中八尾の次の駅、東八尾駅(通過駅)を過ぎると神通川を渡ります。この高山本線は基本的に神通川の左岸を走りますが、東八尾駅の先から笹津駅の少し先までの一部のみ、右岸を走ります。

神通川は、富山県を代表する河川の一つです。かつて、大正期から高度経済成長期にかけて四大公害病の一つ「イタイイタイ病」が発生した河川としても知られています。イタイイタイ病の原因は、この先の上流にある神岡鉱山の廃液に含まれていたカドミウムで、流域に多くの被害をもたらしました。

悲しい歴史をもつ神通川ですが、神通川は北陸電力において最初の大規模水力発電が開始された場所でもあり、富山県の産業発展に貢献してきました。

神通峡に沿って列車は走り、次の停車駅である猪谷駅に到着しました。猪谷駅は、かつて神岡鉱山からの貨物輸送で栄えた駅で、一時期においては神岡線という路線との分岐駅でもありました。現在は、無人駅となっていますが、JR東海とJR西日本の境界駅となっています。

猪谷駅を過ぎると、これまで横を流れていた「神通川」が「宮川」と「高原川」に分かれます。高山本線は、このうち宮川に沿って、更に南へ進みます。

この区間は山あいの狭い峡谷となっていて、てっきり私はこの辺りが分水嶺に近いのだと思っていましたが、それは誤り。分水嶺は高山より南にあります。

列車が高山盆地に入ると雲もほとんどなくなってきました。快適な列車の旅も間もなく終わり、高山駅に到着します。

下り列車は一部遅れているようでしたが、この列車は定刻通り、高山駅に到着。高山駅では前に車両を増結して、名古屋方面に向かうようです。乗車していたお客さんの多くはここで下車する一方、ここから乗車される方も多くいるようでした。

それでは、高山観光に出発です。