のんびり黒島#3

黒島サイクリング(前編)

2023/10/15

安栄観光高速船(石垣港→黒島港)

八重山旅行2日目。昨年の1月に「竹富島」、昨年の4月に「石垣島」を満喫したので、今回は石垣港からの日帰り旅行で楽しむべく、「黒島」に行くことにしました。

今回は、往復の高速船と黒島でのサイクリングがセットになった商品を買うため、少し早めに宿をチェックアウトして、「石垣港離島ターミナル」へとやってきました。

サイクリングとのセット商品はサクっと購入できたので、出発時刻までターミナル内で待ちます。ちなみに、このセット商品は事前にウェブで購入することも出来て、その方がオトクなので、事前に購入するほうがお勧めです。

出発時刻が近づいてきたので乗り場へと向かいます。今回乗る黒島行きは「あんえい8号」という船で、小さめの高速船です。

船内はかなりゆとりのある乗船率で出発。あいにくの曇天ではありますが、後方の窓側席を陣取り、黒島までの船旅を楽しみます。

黒島航路は、竹富島の南側を通り、約30分で黒島に到着するルートです。賑やかな石垣港内を出ると、間もなく、「竹富島」が見えてきます。その先は天気もイマイチということもあって、ウトウトしていました。

しばらくすると大きな島影が見えてきます。奥に見える大きな島が「西表島」で、手前の島が「小浜島」です。

西表島は石垣島から行く離島の一つですが、沖縄県では2番目に大きい島ということもあって、こうして船からみると、かなり存在感があります。西表島は高校時代の修学旅行で訪れて以来、行けていないので、また近いうちに行きたい場所の一つです。

そうこうしているうちに、石垣港を出発して30分弱で、本日の目的地である「黒島」に到着しました。

ターミナルの前には「黒毛和牛の像」がありました。どうして黒毛和牛の像があるかって、この黒島は、人口よりも牛の数の方が多い畜産の島なのです。

さて、ターミナルからはレンタサイクル屋さんの車に乗って、レンタサイクル屋さんへと向かいます。今回使うレンタサイクル屋さん「まっちゃんおばー レンタサイクル」までは歩いてもすぐの距離でした。

無事に自転車も借りれたので、島の周回道路らしき道を進むことにします。


黒島研究所

レンタサイクル屋さんで頂いた地図に描かれている周回道路を進みます。

最初は「木漏れ日ロード」という見どころもあって素敵な道でしたが、次第に道は狭く、草の伸びた自然豊かな道になっていきました。この日は曇天で暑くもなかったので、島の風を感じながら、自然の道を駆け抜けるのは爽快でした。伸びた草についた露で少しズボンの裾が濡れるのもまた一興でした。

しばらく進むと「黒島研究所」に到着しました。この「黒島研究所」は、ウミガメなどの研究をしているほか、島の歴史や文化について学ぶこともできる施設です。

入って左側が主に歴史・文化について学べるゾーンで、右側に水槽が置かれています。一つ一つの水槽は大きくないので、ウミガメはじっくりと観察できました。

こうしてみるとかなり大きくて少し怖いくらいです。動きが思いのほか早いので、写真を撮るのは意外と難しかったです。


宮里地区

黒島研究所からは道もしっかりしていて走りやすくなりました。道端のかわいらしいヤギさんを見ながらのサイクリングです。

研究所から少し進むと、島南西部の「宮里地区」に到着しました。ここは、かつて島の行政の中心として役所が置かれていた場所で、現在は「黒島ビジターセンター」が設置されています。センター内では、黒島の歴史や自然を深く学ぶことができるようになっています。

ビジターセンターの裏側は、「宮里海岸」という海岸になっていて、海岸の手前には「夫婦ヤラブ」・「夫婦ガジュマル」という立派な木があります。

夫婦ガジュマルの由来は、連れ添っていそうだからでしょうか。仲良く連れ添っていそうで、そして、真ん中のまるい空間が優しく受け入れてくれそうで、見ていて癒されます。


仲本海岸

ビジターセンター周辺でゆっくりした後は、南にある「仲本海岸」へと向かいます。周回道路もしっかり舗装された道なので、のんびりと漕ぎながらの旅です。

仲本海岸は、海水の透明度が高く、海水浴のみならず、シュノーケリングも出来る海岸です。

晴れていたら綺麗だろう海岸を眺めながらのんびりと過ごします。

晴れていないのは残念ではあるものの、たとえ曇っていたとしても、透明で綺麗な海と、穏やかな波の音が、汚れを洗い落としてくれるような気がします。


黒島灯台と島の日常

仲本海岸からは、さらに南へと進み、島の南端である「黒島灯台」を目指します。黒島灯台は、中に入ることこそ出来ませんが、サンゴ礁の美しい海を見守る大切な灯台です。

灯台より先の東部は周回道路が整備されていないため、ここからは北上して、島の中心部へと向かっていきます。

道すがら、「津波石」と呼ばれるサンゴ礁の一部がありました。これは、1771年に起きた八重山地震で、海から津波によって打ち上げられた珊瑚礁です。この地震による津波は、大きな山のない黒島に大きな被害をもたらしました。

再び大きな災害が起こることがないよう祈念し、道を進みます。


東筋集落

しばらくすると、黒島の中心部と言える「東筋集落」へと到着しました。

お昼ご飯を考えていますが、行こうと思っているお店の営業開始時間まで少しあるので、集落内を散策します。東筋の集落もまた、沖縄らしい景観がしっかりと残っていて、趣があります。

集落のなかには、文化財として保存されている「神山家住宅」があります。1909年に建てられた住宅で、当時の状態がよく保存されていることから、国の有形文化財にも登録されています。

ちなみに、この住宅で使われた木材は西表島のものが使われています。大きくて森林も多い西表島が近くにあるというのは、この島の強みのようで、かつて琉球王朝の時代においては八重山随一の造船の島だった時代があるようです。

東筋の集落には、商店もあり、この日も営業していました。島の暮らしを支える大切な商店です。


そばカフェうんどうや

ランチを考えていたお店の営業開始時間も過ぎたので、東筋集落にあるお目当てのお店「うんどうや」さんにお邪魔します。

店内は、室内と屋外に分かれていましたが、気持ちのいい風も吹いていたので屋外の席に座ります。一階に座りましたが、二階席も開放感があって良さそうです。

今回注文したのは、このお店の名物「アーサそば」です。黒島のアーサがたくさん入っていることはもちろん、島豆腐が入っているところもポイントで、優しいスープとマッチして、とても美味しかったです。