熊野参詣#1

川湯みどりや~熊野本宮温泉郷~

2024/11/2

のぞみ111号→南紀3号(東京駅→名古屋駅→新宮駅)

11月の3連休は観光日和のはずですが、あいにくの天気。そんな気持ちからか、本当は朝いちばんで家を出て、名古屋駅から南紀1号に乗る予定であったにもかかわらず、うっかりの二度寝。寝坊に気が付いたら時点でネット予約していた列車を振替して、急いで家を出ます。

東京駅を7時39分に出発する「のぞみ111号」に乗って、まずは名古屋へ向かいます。名古屋駅でネット予約していたフリーきっぷを発券して、まずは朝ごはんをいただきます。ホームにあるきしめん屋さんで、身体を温めて、特急「南紀3号」に乗車します。

車内はいくつか空席はあるものの、発売状況をみると満席。私は朝いちばんの予約変更にもかかわらず、何とか窓側を確保できましたが、隣席にはしっかりお客さんがいました。せっかくの窓側ではあるものの、今日はあいにくの天気なので、車窓を楽しむというよりも、スマートフォンをみたり、読書をしたり、しながら過ごします。

ここで、今回使った「南紀・熊野古道フリーきっぷ(中辺路)」をご紹介。名古屋駅発着9,970円で、往復の特急「南紀」号とフリー区間内の特急普通車自由席、熊野御坊南海バスが乗り放題です。通常料金の場合、名古屋~新宮間の特急片道で約7,500円なので、とてもオトク。

さらに、今年は熊野古道20周年を記念して、現地で1,500円分の商品券などと交換できるので、それを除くとなんと8,470円です。時間はかかるものの、高速バスと比べても早いので、かなりお勧めです。

明光バス・龍神バス(新宮駅→熊野本宮→川湯温泉)

名古屋駅を出発して約3時間半で、和歌山県新宮市・新宮駅に到着しました。新宮駅前の案内所でバスのフリーきっぷと引き換えます。

ここで一つ問題。すぐに出発する熊野本宮方面のバスはフリーきっぷ対象外とのこと。新宮~熊野本宮間のバスは3社が運行しており、利用できるのは1社のみ。もっとも本数は一番多いのですが、南紀号が着く直前に出発しているため、1時間ほど待たなければなりません。

待つことも考えたのですが、そうすると本宮から今日予約している川湯温泉までのバスの接続が悪いのです。今日はこれから雨も酷くなるようだったので、別料金を支払って、こちらの明光バスに乗車して、熊野本宮を目指すことにしました。

車内はガラガラで空席が目立ちます。意外と充電ができたのが驚き。熊野川に沿って、北上しますが、雨脚が強まるばかりで心配になってきます。

熊野本宮では乗り換え時間に、バス停最寄りの熊野本宮館にある「和歌山県世界遺産センター」を見学します。その後、やってきた龍神バスに乗って、川湯温泉を目指します。

この龍神バスは熊野本宮エリアのみフリーきっぷで乗車できるので、ありがたく使わせていただきます。3連休で込み合っているのもあって、2台体制で行き先によってお客さんを分けているようでした。

川湯温泉バス停から予約している「川湯みどりや」はすぐ。こちらは紀伊勝浦の「ホテル浦島」系列の宿です。もともとは別の宿を予約していたのですが、川湯温泉の宿はどうしても古い宿が多く、その意味での口コミで気になるものもあって、こちらに変えたのですが、結果的にいえばとてもよい宿でした(こちらも同様の口コミはいくつかありましたが、訪れてみて気になる箇所は特にありませんでした。)。

山水館 川湯みどりや

チェックインして部屋に案内してもらいます。今回の部屋は「清流を望める和室」を予約。案内された605号室に入ってみると、広くて、清潔感もしっかりあるので、ゆっくりできそうです。

室内には独立のバスルームがありますがこちらは狭めで古めかしいタイルではあるものの綺麗です。もっとも大浴場があるので使うことはないと思われます。あと、トイレはしっかりウォシュレット付きです。

清流沿いの部屋を予約しただけあってしっかりリバービュー。そして、川沿いの露天風呂も上から眺めることができました。晴れていたらもっと美しいことでしょう。

さて、長時間の移動で疲れた身体を癒すべく、大浴場へと向かいます。こちらの宿は男女別大浴場と混浴の川沿い露天風呂があります。混浴の川沿い露天風呂は湯あみ着が必須。湯あみ着と小さいタオルは更衣室に置いてあるので、まあ手ぶらでも楽しめます。

まずは大浴場から入りますが、程よく熱めで、硫黄の香りもする私好みの湯。かなり気に入ったので、滞在中、計4回くらい入浴しました。

続いて、露天風呂も一応入っておきましたが、雨が降っていたので雰囲気を楽しむ程度にしました。晴れていればさぞいい湯でしょう。

(※)写真は公式サイトから引用

入浴後は売店で買った「熊野古道麦酒」をいただくことにします。今日を振り返ると、名古屋駅のきしめん以来、何も食べておらず、空腹気味です。

待ちに待った夕食。この前に2回目の入浴をしてきました。夕食会場は大浴場の隣にある「レストランせせらぎ」です。大半の利用者はこちらで、お刺身+鍋などのミニ会席が付いたハーフバイキングでいただくことになります。このほか、別のお食事処で提供される会席料理コースもあるようです。

バイキングを取ってきて、まずは瓶ビールからスタート。バイキングはかなり盛り付けを気にしてみましたが、どうでしょう。笑

通常のバイキング皿だけでなく、鮎の塩焼きなどは専用の皿が用意されていて、料理だけでなく、皿も含めて見栄えが良くなると、何となく嬉しいのは自分だけではないはず。鮎はもちろん美味しかったです。

瓶ビールを飲み終えた後は、日本酒「熊野三山」を注文。このお酒は、新宮市の酒蔵「尾崎酒造(崎は大でなく立)」が造る地酒で、熊野川の伏流水をくみ上げ、丹念に磨き上げた山田錦を用いた伝統手作りの吟醸酒とのこと。すっきりとした飲み口で飲みやすく、料理とも合わせやすかったです。

日本酒にうつった後に、鍋に火入れをしていただきました。席に着いたときに「火はお好みのタイミングで入れますので」という案内があり、自分のタイミングで火入れしていただいたのですが、お酒を楽しみながら、ゆっくり食事をしたい私にとってはとても嬉しい気配りでした。

締めのご飯は、赤だしとご当地名物・サバの棒寿司をいただきました。地元の名物がしっかりと取り入れられているのもまたうれしいところです。

食後少しすると雨も完全に止んだようなので、少しだけ宿の周りを散策します。飲食店もあるにはあるものの、そういった気分でもなかったので、ぶらぶらと散策して、ふと空を見上げます。

すると、星がきれいに見えました。熊野の夜に輝く星々に癒されつつ、宿へと戻ります。ふたたび川湯のあたたかい湯に浸かり、本日は眠りにつくことにします。

翌朝は雲一つない快晴。予報では曇りだったのでうれしい限りです。

朝風呂を満喫して、朝食会場に向かいます。昨夜と同じレストランで、朝食もバイキング形式です。ご当地感は強くないですが、和・洋しっかり揃っています。個人的にはスクランブルエッグがあるのが嬉しいです。

今日は中辺路を歩くので、ごはんをお代わり。二杯目はしらすと半熟卵で、しらす玉子かけご飯にしていただきました。これは美味しくないわけがありません。

朝食後は、出発の準備をします。これだけの快晴ともなれば、今日は熊野古道を満喫できそうです。