熊野参詣#4

大門坂と熊野那智大社

2024/11/4

くろしお16号(新宮→紀伊勝浦)

熊野旅行3日目の朝、朝食付きで予約したので朝食会場に向かいます。朝食はバイキング形式で、和洋いずれもそれなりの品数がありました。

食後は新宮駅へ向かい、新宮駅を8時32分に出発する特急「くろしお16号」で紀伊勝浦を目指すことにします。紀伊勝浦まではフリーきっぷのフリー区間に含まれているので、フリーきっぷを提示して改札に入ります。

駅構内に入り、自由席車両を確認すると、なんと全車指定席。首都圏であれば空席があれば利用できる座席未指定券などがあるので、同様の取扱いがないか確認すると、そういった取扱いはないようで、乗車には指定席特急券が必要のようです。

そんなわけで、やむなく、改札外に出て、指定席券売機でくろしお号の指定席券を購入します。

そして、ふたたびホームに入ると「くろしお16号」が停まっていました。和歌山といえばアドベンチャーワールドということで、パンダラッピングの「パンダくろしお」でした。

新宮から新大阪までは4時間以上かかりますが、紀伊勝浦まではあっという間です。この新宮駅から紀伊勝浦駅までの間は太平洋・熊野灘がよく見えて、素晴らしいです。

紀伊勝浦駅に到着。紀伊勝浦までの区間を利用する人はほとんどいなかったようです。改札口を出て、コインロッカーに荷物を預けて、駅前のバス乗り場へと向かいます。

定刻になったのでバスに乗って大門坂を目指します。このバスは那智駅を経由して、大門坂・那智山へと向かいます。今回は帰りを考えて紀伊勝浦駅のコインロッカーに荷物を預けたかったため、特急で紀伊勝浦に行きましたが、新宮から那智山へ向かう場合は、新宮と紀伊勝浦を結ぶバスを利用して、那智駅で乗り換えるのも一つです。

大門坂バス停の前には大きな駐車場とトイレがあるので、こちらで出発前のトイレや準備をして、大門坂・那智山へと向かうことにします。

大門坂

大門坂は、熊野古道観光のなかでもかなり人気のスポットで、大門坂のみ歩かれる方も少なくないのではないでしょうか。ちなみに、大門坂の名は、坂をのぼりきった後に大門があることから来ています。

それでは、のんびりと熊野古道・大門坂を堪能することにしましょう。

まずは集落内の道を進みます。この区間も石畳であったり、神社があったり、となかなか趣深い雰囲気で、歩いていてとても気持ちがいいです。

歩き始めて数分で、立派な夫婦杉がみえてきます。ここからは杉林のなかを進むことになります。

人気が出るのも頷ける石畳の道が続きます。

半分ほど歩くと、坂の途中に車道に出られる箇所がありました。ここにはバス停もあるので、半分ほど歩きたい方や大門坂の景色だけ楽しみたいという方は、このポイントを利用するのが良さそうです。ただ、無理がないのであれば、やはり全区間歩くのが一番お勧めです。

その後も素晴らしい石畳の道が続きます。所要時間でいうと、大門坂バス停から那智大社までは約1時間あれば、余裕もってゆっくりと歩いていくことができます。本当に素晴らしい道です。

熊野那智大社

大門坂を登り切ったところに旧大門跡があり、さらに少し進むと那智山バス停があります。那智大社まではここからもう少しだけ階段を登るのですが、振り向くと見晴らしがよく、思いのほか高いところまで登ってきたことを実感させられます。

そして、熊野三山の三山目・熊野那智大社に到着しました。熊野那智大社は、那智の滝への自然信仰に始まり、主祭神は、万物の生成・育成を司る「熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)」です。

鳥居をくぐり、表参道最後の階段をのぼり、拝殿・本殿へと向かいます。

いよいよ最後の階段を登り切り、拝殿に到着。熊野三山、三山目の熊野那智大社です。

まずは拝殿へとお参りします。続いて、八咫烏が祀られている御縣彦社にもお参りします。

宝物館も見た後は、拝殿の横にそびえ立つ大きな楠の木に向かいます。絵馬に願い事を書いて、楠の根元にある大きな空洞へと入ります。ここを入ると無病息災が叶うとのこと。

世界の平和を祈りつつ、楠をくぐった後は日本一大きいというおみくじをひきます。結果は秘密です。そして、やたがらす守を購入して、いざ本殿へ、と言いたいところですが、本殿は一般公開されておらず、隙間から眺めさせてもらいました。

青岸渡寺

続いて、隣接する「青岸渡寺」にお参りします。伝承では仁徳天皇の頃、天竺から渡来した裸形上人により開かれ、明治時代の神仏分離までは熊野那智大社と一体でした。ここには三重塔があり、那智の滝と一緒に眺めることができるのですが、現在は工事中。次の時はリベンジしたいものです。

この後は那智の滝を目指します。その前に近くの休憩所で「黒飴ソフト」が販売されていたので、小休止。那智黒と呼ばれる黒飴がご当地名物ということで、それにちなんだ商品です。

飛瀧神社・那智の滝

それでは那智の滝に向かいましょう。熊野那智大社の自然信仰、それはこの那智の滝あってのもの。那智の滝は、北方領土を除くと、日本国内で最も落差の大きい滝です。那智の滝は飛瀧神社の御神体ともなっています。

いよいよ、那智の滝の下に到着しました。迫力がすごいです。

鳥居の下でもかなり近いですが、那智の滝にさらに近づける御瀧拝所舞台もあるので、中へと入っていきます。中に入ると、延命長寿の水と言われる那智御瀧の瀧壺の水も飲むことができます。

いよいよ、那智の滝に最も近づけるスポットまで到着しました。滝の迫力からは自然の力を感じさせます。

滝見を十分に楽しんだら、舞台を後にします。日本三名瀑と言われますが、落差日本一と言われるだけあって、さすがの迫力でした。

参拝を終えてバス通りに戻るとちょうど紀伊勝浦駅行きのバスがやってきたので、こちらに乗車して、紀伊勝浦駅へと戻ることにします。参考までに混雑度合いはというと、マイカーで大門坂まで来て、大門坂を歩いて、帰りはバスで大門坂まで戻るという人も多いようで、大門坂まではバスの車内も結構混雑していました。

特急「南紀84号」(紀伊勝浦駅→名古屋駅)

紀伊勝浦駅に到着後は駅の反対側にある「玉乃湯」に向かいます。露天風呂はありませんが、紀伊勝浦駅周辺で日帰り入浴ができるのはとてもありがたいです。

駅前の観光案内所で、フリーきっぷの特典で商品券と引き換えて、商品券の使える「あじ処大林」へと向かい、「勝浦生まぐろ満喫御膳」をいただきます。こちらは、まぐろのお刺身・お寿司・まぐろ丼・まぐろかつ・佃煮・つみれ汁と、まさにまぐろを大満喫できるセットとなっています。

お昼過ぎということもあり、店内にほかのお客さんはいなかったので、店主の方とこの辺のお話なども伺いながら、楽しく食事をできました。

食後も帰りの特急列車まで少し時間があったので、歩いて数分の港にある市場にも立ち寄ってみます。「那智茶屋寿庵」さんでクレープを購入してみましたが、結構おいしかったです。

紀伊勝浦駅にはKIOSKなどがないので、コンビニでお酒とおつまみを購入してから駅へと向かいます。帰りも名古屋経由で帰るため、特急「南紀84号」に乗車します。

紀伊勝浦から名古屋までは3時間56分の旅路です。往路は雨が降っていましたが、帰りは天気も良かったので、車窓を眺めながらゆっくりと過ごします。

このひとつ前の定期列車の「南紀」号はほぼ満席でしたが、臨時便であるこの列車は比較的空いていて、窓側は埋まっているものの、隣にお客さんは来ず、相席とはならずに快適に過ごすことができました。

名古屋駅からは東海道新幹線に乗り換えて東京へと戻ります。

(完)