下関歴史探訪ー唐戸と長府
2024/11/23
下関市立しものせき水族館・海響館
下関旅行2日目はあいにくのお天気ということで、朝食を楽しんだ後は、唐戸エリアにある「下関市立しものせき水族館・海響館」に向かいます。訪れた翌月の2024年12月から翌年の夏まで休館だったので、タイミングよく訪れることができました。


しものせき水族館は、関門海峡の激しい潮流を再現した大水槽や100種類を超えるふぐの展示などが有名です。市立の水族館ということで、正直なところ、そこまで期待していなかったのですが、かなり充実感のある施設でした。




海響館の特長の一つとしては「ふく」の展示です。「ふく」の街・下関とだけあって、ふくはなんと100種類以上が展示されています。






また、「ペンギン村」も見どころの一つ。昭和32年に、入港した捕鯨船が旧・水族館にエンペラーペンギンを寄贈して以来、ペンギンは下関市民に親しまれていて、「市の鳥」にも指定されています。
現在も日本最大級のペンギン展示施設となっていて、屋内の亜南極ゾーンと屋外の温帯ゾーンに、数多くのペンギンたちが展示されています。






最後にショーエリアを見てみます。ここでは、イルカとアシカの共演ショーも開かれていますが今回は時間の関係で見ませんでした。
出口付近には世界でも数体しかないシロナガスクジラの全身骨格標本の本物が展示されていました。




唐戸市場
海響館の後は唐戸市場へと向かいます。唐戸市場は観光客も多く訪れる下関市の市場です。




市場内の商店では寿司を取扱いしているお店がいくつかあるのも名物の一つということで、お寿司をいくつかとふぐのフライ、そしてビールを購入して、市場外でいただきました。
このお寿司、正直なところ、期待していなかったのですが、かなり美味しくて満足度が高かったです。観光客向けの市場グルメはあまり…という人にも是非お勧めしたいところです。


長府の街並み
今日の午後は唐戸から長府に移動して、長門国の国府であった長府を観光します。唐戸バス停からバスに乗り、城下町長府バス停で下車します。
長府というと、長府製作所の名前の方が先に知っていましたが、その由来は文字通り、長門国の国府からきているようです。現在も城下町の雰囲気を残しており、観光名所となっています。


それでは、国道沿いの長府観光会館を起点に、壇具川沿いを散策していきます。あいにくのお天気ではあるものの、風情のある道が続いていて、散策にはピッタリです。




こちらは長府藩菩提寺で長府毛利家墓所の「笑山寺」です。静かな境内がまたいい雰囲気を醸し出しています。


続いて、こちらは「功山寺」です。高杉晋作が挙兵した寺として知られています。紅葉が美しいことでも知られていますが、全体的にはまだ途上というところ。こちらを見学していたところ、雨がパラパラと降ってきてしまったので、門の下で待機していました。




なかなか雨もやまないので、向かいにある「下関市立歴史博物館」で雨宿りをすることにしました。この博物館は、下関市の歴史を学ぶことができる施設で、有史以来、この町が何で栄えてきたのかを知ることができます。




雰囲気のある街並みを歩いていると「長府毛利邸」に到着しました。長府毛利邸は、14代元敏公によって建てられた邸宅です。明治期以前の完成かと思いきや、完成したのは1903年(明治36年)と新しくて驚きました。




ちょうどこの日は夜にライトアップイベントが行われるようでその準備に追われていました。こちらの見どころは日本庭園で、かなりいい感じ。
雨が上がってくれたので、雨上がりの庭園を散策していると、外国人観光客の方が官女体験を行っていて、これがまたいにしえの雰囲気を醸し出してくれます。




長府毛利邸からは長府随一の雰囲気である「古江小路」(写真1枚目)などを通りながら、北側にある乃木神社を目指しました。




乃木神社は、明治の軍人・乃木希典を祀った神社。




乃木神社の東側には「忌宮神社(豊浦宮)」があります。こちらは長府城下町の中心に位置し、第14代・仲哀天皇が熊襲平定の際に滞在した行宮・豊浦宮の跡にある歴史のある神社です。




天気も回復してきたので、最後に長府庭園へと向かいます。長府庭園までは、侍町という、かつて武士たちが住み、下関市内でも随一の閑静な住宅街を抜けていきます。
長府庭園は、長府藩家老・西運長(にしゆきなが)の屋敷跡を整備した庭園で、敷地面積は約31,000平方メートルとかなり広大な庭園です。ちょうど紅葉の見ごろも近く、色づいた庭園に魅了されます。






赤間神宮
長府散策を終えて、再び唐戸方面にバスに乗って向かいます。まずは、赤間神宮前で下車し、赤間神宮に参拝することにしました。
赤間神宮は、壇之浦の合戦に敗れ、わずか8歳にて入水した安徳天皇を祀る神社です。ちなみに、江戸時代までは、安徳天皇御影堂といい、仏式により祀られていたところ、明治の神仏分離によって、神社となった歴史があります。




赤間神宮と隣接するように1895年(明治28年)に下関で行われた日清戦争の講和会議を記念する「日清講和記念館」があります。
講和会議の会場が記念館の建物ということではなく、隣接する春帆楼で開かれたのですが、日清講和会議と、下関条約と呼ばれる講和条約の歴史的意義を後世に伝えるため、1937年(昭和12年)に開館しました。


ちなみに、講和会議の開かれた春帆楼は現在もこの地で営業しています。


この付近には、「本陣 伊藤邸跡」(写真1枚目)や「李鴻章道」(写真2枚目)など見どころが複数あります。


李鴻章道は、日清戦争の講和会議において清国の全権大使であった李鴻章が滞在していた引接寺(写真)から、春帆楼への道のこと。襲撃されるリスクを最小限にするために辿ったのですが、小山豊太郎に襲撃されるテロ事件が起きています。


亀山八幡宮(亀山宮)
気が付けば、もう唐戸市場付近まで戻ってきました。唐戸市場の向かいにある「亀山八幡宮(亀山宮)」へお参りしましょう。
亀山八幡宮は、関門海峡鎮護の神社として歴代領主の大内氏・毛利氏らの崇敬を受け、下関の総鎮守として市民に親しまれています。境内には、下関らしく「世界最大のふくの銅像」もおかれています。




最後に、唐戸地区に残る下関のレトロな建物をみて、ホテルに戻ることにします。こちらは「旧下関英国領事館」です。領事館として建てられた建物としては、国内に現存する最古となる1906年(明治39年)に建てられました。




ほかにもレトロな建物がたくさんあるので、外観を見学しつつ、ホテルに帰ります。






創作居酒屋ゑびす門
ホテルに帰って、いったん大浴場で汗を流した後は、飲みに出かけます。今夜は事前に予約していた「創作居酒屋ゑびす門」さん。まずは、赤星の瓶ビールから始めます。


お通しの3点セットに続いて、お刺身「鮮魚のえびす盛り」、「黒かしわもも肉の竜田揚げ」、「関門たこの唐揚げ」などを注文。お味もさることながら、希望の量を伝えると一人前などで対応していただけたので、一人でもいろいろなものを食べることができて、とてもありがたかったです。






続いて、二軒目は「大吟醸みすゞ」さん。アットホームな店内は、地元の方と観光客とが入り混じった空間。かなり酔っぱらっていい気分そうなおじを見つつ、ひれ酒とおでんをいただきました。


続いて、隣にある「鉄なべ餃子どっちゃん」に入ります。こちらではハイボールをおともに、鉄なべ餃子をいただきました。


最後に、締めのラーメンをいただきに、「鶏一心」で鶏白湯ラーメンをいただきました。あまり期待していなかったのですが、これがかなり好みで、いい締めになりました。


晩酌用のほろよいを購入して、今日も無事にホテルに帰りました。

